中小企業の技術を集めて取り組む「コックピット内蔵型巨大ヒューマノイドロボットの開発」:ETWest2013 基調講演(3/3 ページ)
2012年夏、大阪で「はじめロボット43号」が発表された。完成すれば4mになる搭乗型巨大ロボットは、発表時点では下半身とコックピットのみで、上半身と外装は2013年になるという話だった。ETWest2013の基調講演で、開発者の坂本元氏がはじめロボット43号機の開発と今後の展望について語った。
緩いつながりがポイント?「プロジェクトのマネジメント」と今後の展望
このように、4mロボットは町工場のプロフェッショナルな技術を集結して製作されている。
プロジェクトに参加する目的は、モノづくりが楽しいから、ロボットが好きだから、先端技術を研究したいから、企業PRになるから、マスコミ取材でタレントさんに会える(笑)……とメンバーによって違う。
町工場には、それぞれ専門の技術があり優れた職人がいる。けれど個々に仕事を請けていても自社をアピールする機会はなかなかない。昨年4mロボットを発表して以来、国内外のメディアから取材が入り、坂本氏やプロジェクトマネージャーの三木氏への講演依頼も増えたそうだ。
プロジェクトを継続する中で、町工場以外の人たちとの交流も生まれてきている。ホームページ運営管理や、ステッカー作製を請け負うデザイナー、ロボットをアミューズメントパークへ売り込みに行く営業さんとも出会えたという。
遠方にも「4mロボットプロジェクトを応援したい!」という人が現れたので、1口3千円からのサポーター制度も作った。昨年11月にはサポーター祭りも開催し、はじめロボット43号機を30人以上の人たちに間近で見てもらった。
坂本氏は、講演会で子どもたちに「どうしたらロボットが作れるようになりますか?」と質問されることが多いそうだ。そんなときには「ロボットを大好きになったら、作れるよ」と答えるという。
現在は、4mロボット完成に向けて上半身と外装を製作中だ。坂本氏は、今後もロボットを8m、18mと大きくしていきガンダムへの夢を追い続けるという。「4mロボットプロジェクトメンバーは、“もういいよ〜”というかも知れませんけど(笑)。夢への挑戦は、ワクワクします」と坂本氏は笑顔で言う。
搭乗型巨大ロボットの製作は、「毎日、少しでも行動し続けることが、夢の実現につながる」という坂本氏からのメッセージだ。
ロボット開発の最前線
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