【ETWest2013】“モノ”と“モノ”がつながる時代を支えるM2Mクラウド技術:組み込みイベントリポート(2/3 ページ)
西日本唯一の組み込み専門技術展「Embedded Technology West 2013」が、2013年6月13〜14日の2日間、インテックス大阪で開催された。“ヒト”と“モノ”がつながる時代から、“モノ”と“モノ”がつながる時代が到来。そこに必要不可欠なM2M(Machine to Machine)技術に関する展示が目立った。
M2Mクラウドを拡充する上で、既存のシステムをどのように活用するかも大きな課題だ。図研エルミックは、2013年9月から受注を開始するONVIF(Open Network Video Interface Forum)ビデオエンコーダー「Ze-Module Video Encoder」を展示した。Ze-Module Video Encoderはアナログビデオ信号の入力ポートを持っており、アナログ監視カメラをつなげるだけで、国際規格のONVIF規格によるIPネットワーク網に接続が可能となる。モニターに転送された映像は、ONVIFカメラのデータと同様にパンやズームができるほか、アナログカメラが雲台に設置されていれば、雲台制御信号を送ることにより周囲の映像を得ることが可能となる。既設のアナログカメラを用いた監視システムをそのまま流用できるため、安価にM2Mシステムを実現できる。
同社ブースでは、2013年5月末に発表した「YAMAME RTP」「YAMAME UDP」も展示。これは、ハードウェアIPで高品質・高速・低コストなストリーミングシステムを実現するもの。映像や音声の転送は、ソフトウェアで処理すると高負荷がかかり消費電力の増加やデータの揺らぎが発生する問題点がある。YAMAME RTPは映像や音声データをリアルタイムに転送するための通信プロトコル RTP(Real-time Transport Protocol)をハードウェアIP化した。RTPを機器へハードウェアで実装することで、CPU負荷を低減し低消費電力、映像・音声送受信のゆらぎを抑え安定性と高速性のある通信を実現したという。
このようにソフトウェアとハードウェアIPを協調することで、通信速度が安定し高品質な通信が可能となる。高速を求められないプロトコル制御パケットはソフトウェアで制御し、回路規模の縮小による低コスト化が実現できるメリットがある。
東京コスモス電機は2013年6月11日に発売を開始した「TWE-Lite DIP」を展示し来場者の注目を集めていた。TWE-Lite DIPは、親指の爪ほどの超小型モジュールTWE-Liteを2.54mmピッチ28ピンDIP型ICの形状にしたもの。
32ビットのRISCマイコンが内蔵されており、デジタル、アナログ、シリアルの無線通信を行うことができる。DIP型ICと同様の形状をしているため、標準のICソケットやユニバーサル基板、ブレッドボードに容易に搭載できる。周辺電子回路の接続のみで使用できるため、プロトタイピングにも適しているのが特徴。コイン電池で数年間の動作が可能な超低消費電力と屋外見通しで1kmの通信性能を実現しているという。
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