日産と三菱自の共同開発軽自動車、JC08モード燃費はクラストップの29.2km/l:エコカー技術
三菱自動車は、2013年6月に発売予定のハイトワゴンタイプの軽自動車「eKワゴン」のJC08モード燃費が29.2km/lを達成したことを明らかにした。eKワゴンと同等の性能を持つ、日産自動車の「DAYZ」のJC08モード燃費も29.2km/lになるとみられる。
三菱自動車は2013年4月18日、同年6月に発売予定のハイトワゴンタイプの軽自動車「eKワゴン」と「eKカスタム」の予約受付を開始したと発表した。併せて、eKワゴンのJC08モード燃費が、車両高さが1550mm以上となるハイトワゴンタイプ、スーパーハイトワゴンタイプの軽自動車でトップとなる29.2km/lを達成したことを明らかにした。
eKワゴンとeKカスタムは、三菱自動車と日産自動車が折半出資する軽自動車開発の合弁企業NMKVが独自開発した第1弾車両である。日産自動車は、このNMKV製の軽自動車を、「DAYZ」と「DAYハイウェイスター」という車両名で販売する予定だ。eKワゴンと同等の機能を備えるDAYZのJC08モード燃費も、29.2km/lになるとみられる。
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新開発の3つのシステムを搭載
eKワゴンの燃費性能は、新たに開発した3つのシステムによって実現した。1つ目は、一定速度以下まで減速した場合にエンジンを停止する、コーストストップ機能を持つアイドルストップシステム「新オートストップ&ゴー」である。新オートストップ&ゴーは、減速時に車速が約13km以下になった場合にエンジンを停止する。小型車「ミラージュ」などに搭載している現行のオートストップ&ゴーは、コーストストップ機能を持たず、車両を停止させなければアイドルストップしなかった。
2つ目は、軽自動車向けに最適化した可変バルブ機構を有するMIVEC(Mitsubushi Innovative Valve Timing Electronic Cntrol Systems)エンジンだ。3つ目になるのが、副変速機付きの無段変速機(CVT)「INVECS-III」である。これらの他、軽量化と空力性能の向上も図った。
最安グレードはアイドルストップシステム非搭載
eKワゴンは、最も安価な「Eグレード」、中位の「Mグレード」、最上級の「Gグレード」という3グレードを用意している。Eグレードは、新オートストップ&ゴーを標準搭載していないため、JC08モード燃費は29.2km/lよりも若干下回るとみられる。
これに対して、eKワゴンと競合する、スズキの「ワゴンR」、ダイハツ工業の「ムーヴ」、ホンダの「N-ONE」は、最安グレードからアイドルストップシステムを搭載している。各車種の最安グレードの税込み価格とJC08モード燃費はそれぞれ、ワゴンRの「FXグレード」が110万9850円と28.8km/l、ムーヴの「Lグレード」が107万円と29.0km/l、N-ONEの「Gパッケージ」が115万円と27.0km/lとなっている。
eKワゴンが、これらの競合車種に対抗するためには、JC08モード燃費が29.2km/lのMグレードの価格を110万円以下に設定する必要がありそうだ。燃費性能が同等のDAYZについても同じことが言えるだろう。
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