日産「リーフ」が約30万円値下げ、その同日にCEV補助金が予算超過:電気自動車
日産自動車は2013年4月19日、電気自動車(EV)「リーフ」の販売価格を改定した。全てのグレードで約30万円安価になっている。その同日、EVなどを購入する際に政府から得られる「クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金(CEV補助金)」の平成24年度(2012年度)予算が超過したことが分かった。
日産自動車は2013年4月19日、2012年11月に改良した電気自動車(EV)「リーフ」の販売価格を改定した(関連記事:日産のEV「リーフ」が250万円以下で購入可能に、走行距離も14%増の228km)。全てのグレードで約30万円安価になっている。
最も安価な「Sグレード」は334万9500円から306万2850円に、「Xグレード」は375万7950円から347万1300円に、最上級の「Gグレード」は413万3850円から384万7200円になった。オプション設定により運転席・助手席向けサイドエアバッグとカーテンエアバッグを省いたSグレードは、327万6000円から298万9350円になった(全て税込み価格)。
CEV補助金は申請延長から一転、予算超過に
EV、プラグインハイブリッド車、クリーンディーゼル車は、購入する際に政府から「クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金(CEV補助金)」を得られる。リーフの場合、平成24年度(2012年度)は全てのグレードで78万円が支給されていた。新価格からこの支給額を引くと、実質220万9350円でリーフを購入できることになる。
しかしリーフの価格改定が行われた4月19日、CEV補助金を統括する次世代自動車振興センターは、2012年度のCEV補助金が予算超過したと発表した。同センターは3月1日、2012年度のCEV補助金を申請するための車両登録期限を3月8日から5月8日に延長していたが、2週間以上早く予算が終了したことになる。
平成25年度(2013年度)のCEV補助金の内容は、予算審議中であるため、経済産業省や次世代自動車振興センターから正式な発表はない。ただし、経済産業省は、2013年4月1日以降に登録した車両であれば、2013年度のCEV補助金への申請が可能だとしている。
日本経済新聞などの報道によると、2013〜2015年度のCEV補助金は、EVの購入金額が、2016年度に燃料コストなどを含めた同格のガソリンエンジン車と同じ金額(目標金額)になるように支給されるという。また、各年度で、目標金額との差額を全額支給する上限金額も定める予定だ。
例えばリーフのXグレードの場合、2016年度の目標金額は252万円(税抜き価格)に設定されている。価格改定後のXグレードの税抜き価格は330万6000円であり、2013年度の上限金額の332万円を下回るので、目標金額との差額である78万6000円は全額支給されることになる。
ただし、低価格のSグレードの目標金額がどのように設定されるかは明らかになっていない。2012年度のCEV補助金制度では、リーフよりも安価に購入できていた三菱自動車の「i-MiEV」や「MINICAB-MiEV TRUCK」(関連記事:EVの本命は軽トラ!? 140万円で購入可能な「MINICAB-MiEV TRUCK」が発売)などは、目標金額によっては補助金の支給額が減額になる可能性もある。
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