EVの本命は軽トラ!? 140万円で購入可能な「MINICAB-MiEV TRUCK」が発売:愛称は「電トラ」
三菱自動車は、軽トラックの電気自動車(EV)「MINICAB-MiEV TRUCK」を2013年1月17日に発売する。「クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金」を含めた実質的な価格は139万8000円である。
三菱自動車は2012年12月26日、軽トラックの電気自動車(EV)「MINICAB-MiEV TRUCK(ミニキャブ・ミーブ トラック)」を、2013年1月17日に発売すると発表した。税込み価格は185万8000円から。経済産業省の「クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金」を46万円まで受けられるため、実質的な価格は139万8000円となる。2013年1〜3月の月間販売目標台数は300台。同社は「電トラ」という愛称で拡販を図る方針である。
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MINICAB-MiEV VANよりも走行距離が増加
MINICAB-MiEV TRUCKは、軽トラック「ミニキャブ トラック」をベースに、軽自動車EV「i-MiEV」や軽ワゴンタイプの商用EV「MINICAB-MiEV VAN」で実績のある、走行用モーターやリチウムイオン電池パックといった電動システムを搭載した。
新開発のモーター「Y51型」は、MINICAB-MiEV VANに採用した「Y4F1型」よりも小型・軽量でありながら、最高出力は30kW、最大トルクは196Nmと同等である。東芝製のリチウムイオン電池セルを用いた電池パックの容量は10.5kWhで、MINICAB-MiEV VANの「CD 10.5kWh」グレードと同じである。満充電からの走行距離は110km、JC08モードの交流電力量消費率は120Wh/kmとなっている。MINICAB-MiEV VANのCD 10.5kWhグレードと比べると、満充電からの走行距離が10km増えて、JC08モードの交流電力量消費率が5Wh/km減少するなど、いくぶん性能が向上している。満充電までの充電時間は、AC200Vで約4.5時間、AC100Vで約14時間。急速充電機能を備えるグレード(税込み価格191万5000円)であれば、電池容量の80%まで15分で充電できる。
車両重量は930kgで、ベース車よりも230kg重い。荷台寸法が長さ1940×幅1415×ゲート高290mm、最大積載量が350kgであるという点は、ベース車と同じである。EVの場合、大容量のリチウムイオン電池パックを搭載するために荷室容量が犠牲になることも多い。MINICAB-MiEV TRUCKは、荷台下に電動システムを配置することで、ベース車のミニキャブ トラックと同等の荷台スペースや積載量を確保した。この他、荷台部分と、荷台下にある電動システムには防さび鋼板を採用し、長期利用時の信頼性を向上している。
150万円以下で購入可能なEVは初
現在、日本市場で一般ユーザーが入手可能な乗用車EVは、三菱自動車のi-MiEV、日産自動車のリーフ、メルセデスベンツ日本の「スマートフォーツー エレクトリックドライブ」などがある(トヨタ自動車の「eQ」、ホンダの「フィットEV」、マツダの「デミオEV」はリース販売限定となっている)。これらの乗用車EVの、クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金を含めた最低購入可能価格は、i-MiEVが188万円、リーフが249万6000円、スマートフォーツー エレクトリックドライブが243万円である。商用EVである、MINICAB-MiEV VANも173万円からとなっており、150万円以上が当たり前だった。
これらに対してMINICAB-MiEV TRUCKは、軽トラEVではあるものの、139万8000円という大幅な価格低減を実現した。日産自動車や三菱自動車が期待するほど伸びていない日本のEV市場だが、150万円以下という価格は、個人事業主や農業者などに販売を広げるきっかけになる可能性がある。
三菱自動車も、「自宅や事業所などで充電することにより、ガソリンスタンドの少ない地域で給油に行く負担を減らせる」として、300台という月間販売目標台数を掲げた。同社は、2012年4〜10月の日本市場で、i-MiEVとMINICAB-MiEV VANを合わせて平均で1カ月当たり約300台販売してきた。MINICAB-MiEV TRUCKは、これと同じ月間販売台数を達成しようというわけだ。
ただし、MINICAB-MiEV TRUCKと、ベース車であるミニキャブ トラックの2WD車との価格差は約50〜75万円ある(最も安価なマニュアル変速の「Vグレード」が64万1000円、自動変速機搭載の「VX-SE」グレードが88万3000円)。
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