「プリウスPHV」の大規模実証実験が終了、1日1.1回の充電で燃料消費量半減:電気自動車
トヨタ自動車は、フランスのストラスブール市における、プラグインハイブリッド車(PHEV)「プリウスPHV」を用いた大規模実証実験が終了したと発表した。実験データからは、1日当たり1.1回の充電によって、プリウスPHVと同じサイズのガソリンエンジン車と比べて、燃料消費量を平均46%削減できることが分かった。
トヨタ自動車は2013年4月11日、フランスのストラスブール市で2010年4月から約3年間実施してきた、プラグインハイブリッド車(PHEV)の大規模実証実験が終了したと発表した。
この実験は、同社とフランス電力公社(EDF)、ストラスブール市の3者が協力して行った。ストラスブール市内に、PHEV「プリウスPHV」約70台と専用充電スタンド145台を導入し、PHEVの使われ方やその充電回数、燃料消費量に与える影響などについての実験データを蓄積した。EDFが設置を担当した専用充電スタンドは、各プリウスPHVを識別可能で、充電時の課金情報を管理する機能も備えている。
約3年間の実証実験で使用されたプリウスPHVの総走行距離は約400万kmに達する。実験データからは、1日当たり1.1回の充電によって、プリウスPHVと同じサイズのガソリンエンジン車と比べて、燃料消費量を平均46%削減できることが分かった。
これらの実験データを反映した開発されたのが、2012年1月から販売されているプリウスPHVの市販モデルである。トヨタ自動車によれば、プリウスPHVの全世界での累計販売台数は約3万台になったという。
トヨタ自動車は、次にフランスで行う大規模実証実験として、グルノーブル市と周辺地域における超小型電気自動車(EV)カーシェアリングを予定している。期間は2014年末から約3年間。使用する約70台の超小型EVには、「i-ROAD」(関連記事:トヨタが10年をかけて進化させたパーソナルモビリティ、「i-ROAD」が市街を走る)も含まれる計画だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「プリウスPHV」と電力網をPLCで接続、充電効率化を目指しトヨタが米国で実験
トヨタ自動車は、2013年初頭から、米国インディアナ州で電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)への充電に関する実証実験を始める。EVやPHEVと電力網を電力線通信(PLC)によって双方向で通信接続し、充電による電力網への負荷の平準化や、充電コストを低減できるような充電設定の自動化などについて調査する。 - トヨタが電力供給型「プリウスPHV」を投入へ、ガソリン満タンなら一般家庭4日分
三菱自動車の電気自動車(EV)「i-MiEV」、日産自動車のEV「リーフ」に続いて、トヨタのプラグインハイブリッド車(PHEV)「プリウスPHV」からも電力が供給できるようになる。エンジンを搭載するプリウスPHVは、あらかじめ電池に充電した電力以外に、ガソリンを使って発電した電力を供給することもできる。 - ブレーカーが落ちる心配なし、トヨタのプリウスPHV用充電機器
トヨタ自動車は、プラグインハイブリッド車「プリウスPHV」の発売に合わせて、充電用の補助機器を販売する。家庭内の消費電力を監視して充電するかどうかを判断する「H2V Manager」が目玉。スマートフォンからの管理設定も可能だ。