PHEVベンチャーのフィスカーが全社員の75%を解雇、破産準備へ:電気自動車
プラグインハイブリッド車(PHEV)「Karma(カルマ)」を展開するベンチャー企業のFisker Automotive(フィスカー)は、全社員の75%を解雇した。今後同社は、連邦破産法11条の適用を申請する準備に入るとみられている。
プラグインハイブリッド車(PHEV)「Karma(カルマ)」を展開するベンチャー企業のFisker Automotive(フィスカー)は2013年4月5日(米国時間)、全社員の75%を解雇すると発表した。解雇人数は160人に上るという。フィスカーは、「多くの有為な人材を解雇することは残念だが、資産価値を最大化するために必要なステップだ」としている。
同社は、カルマの出火事故や、リチウムイオン電池を供給していたA123 Systemsの経営危機などもあってカルマの生産を中止している。さらに、中国の自動車メーカーを含めて、複数の企業からの買収提案が報道されるなど、数カ月前から資金繰りに困窮していた。2013年3月には、創業者のHenrik Fisker氏が会長を辞任している。
経営破綻続くグリーン・ニューディール政策の助成金取得企業
今後フィスカーは、連邦破産法11条の適用を申請する準備に入るとみられている。その場合、同社のPHEVに関する技術や工場といった資産は、競売にかけられることになる。
フィスカーは、米国大統領のバラク・オバマ氏が推進していたグリーン・ニューディール政策の一環で、米国エネルギー省(DOE)から助成金を得ている。同政策から助成金を受けていた、リチウムイオン電池メーカーのEner1は2012年1月、A123 Systemsは同年10月に破産している(関連記事:グリーン・ニューディールは失敗? 米車載リチウムイオン電池ベンチャーが倒産)。
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オバマ米大統領は2011年3月30日に「エネルギー政策の未来図」と題した計画書を紹介し、米国のガソリン輸入量を10年間で1/3削減する他、連邦政府の購入する自動車を電気自動車などに切り替える計画を明らかにした。これは同大統領がうたう「電気自動車100万台構想」の一環である。米政府が電気自動車を石油社会から脱却する取り組みの1つとして捉えていることが分かる。