組み込み機器でもWindows 8! 実は使える“8つ”の機能【前編】:Windows Embedded分野のMVPが教える(2/2 ページ)
「Windows 8」には、従来バージョンから刷新・新規追加されたさまざまな機能が存在する。その中には、“組み込み機器でも!”“組み込み機器だからこそ!!”活用できる機能がある。本特集ではWindows 8にちなんで、組み込み機器で使える“8つ”の機能を紹介。【前編】では、UI周りの外観的な(見える)機能を中心に取り上げる。
3.洗練された新しいタッチキーボード
小売業での業務用端末や工場での工作機械のUIなどでは、入力装置としてキーボードがなく、“タッチパネルのみ”が搭載されるケースも見られます(そのような場合は、ソフトウェアキーボードが活用されています)。
Windows 8では、タブレット端末での操作を研究・調査し、改良された「タッチキーボード」が搭載されています(どのような研究・調査が行われたかについては、Microsoft社のブログで解説されています。ご興味のある方は参照してみてください)。
タッチキーボードの特徴としては、
- 親指での操作を想定した、分割キーボード表示が可能(図4)
- よく使用されるキーに絞った配置
- ミスタッチ時の自動訂正機能
- 数値入力ビューの配置が、電話やATMの数字キーと同じ
が挙げられます。
また、デスクトップUIの操作で必要になる可能性のある[Fn(ファンクション)]キーなどを使えるようにするため、標準キーボードレイアウトもサポートしています(図5)。
参考 Windowsエンジニアリングチームによるブログ: | |
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⇒ | Windows 8のタッチキーボードのデザイン |
4.高速起動を実現するUEFI Fast Boot
起動の速さはPC選定の1つの重要な要素ですが、組み込み機器でも同様で、しばしば“高速起動化”が求められます。
例えば、組み込み機器向けOSの1つである「Windows Embedded Standard 7」(名前の通り、こちらはWindows 7ベース)では、その要望に応えるため、HORM機能(Hibernation Once Resume Manyの略で、ハイバネーション機能を活用した高速起動の仕組み)が提供されています。
Windows 8はどうかというと、「UEFI Fast Boot機能(UEFIは、Unified Extensible Firmware Interfaceの略)」が提供されており、従来よりもさらに高速な起動を実現しています。これは、組み込み機器でもかなり重宝されると思われます。
ただし、UEFI Fast Boot機能を利用するには、以下の条件を満たしている必要があります。
- 名前にある通り、UEFI環境であること
- マザーボードがFast Boot機能に対応していること
- ビデオBIOSがGOP(Graphics Output Protocol)に対応していること
細かな設定方法については割愛しますが、ブート時のUSBの設定やディレイ時間などをさらに調整することで、5秒を切る高速起動を実現したというケースもあります。
さて、今回は、Windows 8テクノロジーの中から、組み込み機器でも活用できる(組み込み機器だからこそ活用できる)機能として、UI周りの外観的な(見える)機能を中心に解説しました。次回の【後編】では、セキュリティやデータ保護といった内部的な機能を4つ紹介したいと思います。お楽しみに! (次回に続く)
スペシャル・サンクス!
本稿の執筆に際し、Microsoftが認定した、Windows Embedded分野のMVP(Most Valuable Proffesional:最も価値のある技術者)受賞者である古賀信哉さん、高橋一夫さん、田靡哲也さん、町井和美さん、山下喜宏さんより、貴重なご意見・アドバイスを頂戴いたしました。この場を借りて御礼申し上げます。
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