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組み込み機器でもWindows 8! 実は使える“8つ”の機能【前編】Windows Embedded分野のMVPが教える(1/2 ページ)

「Windows 8」には、従来バージョンから刷新・新規追加されたさまざまな機能が存在する。その中には、“組み込み機器でも!”“組み込み機器だからこそ!!”活用できる機能がある。本特集ではWindows 8にちなんで、組み込み機器で使える“8つ”の機能を紹介。【前編】では、UI周りの外観的な(見える)機能を中心に取り上げる。

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Windows Embedded 8

 「Windows 8」が正式リリースされてから、早くも半年が経過しました。家電量販店などの売り場に目を向けてみると、各メーカーから発売されているWindows 8を搭載した最新ノートPCやタブレット端末がたくさん陳列されています。

 さらにその一方で、Windows 8をベースとした組み込み機器向けのOSも登場しつつあります。

 例えば、2013年3月5〜8日の4日間、東京ビッグサイトで開催された展示会「リテールテックJAPAN2013」では、小売業/FA/ヘルスケア分野向けの「Windows Embedded 8 Industry(Preview版)」を搭載したPOS端末が幾つか展示されていました。そして、つい先日、組み込み機器向けに使用できるWindows 8ベースの新OS「Windows Embedded 8 Pro」と「Windows Embedded 8 Standard」がRTM(Release To Manufacture)となりました。


 ご存じの通り、Windows 8には、従来バージョンから刷新もしくは新規に追加されたさまざまな機能があります。本特集では、それらの機能の中で、組み込み機器でも(もしくは組み込み機器でこそ)活用できる機能を、Windows 8にちなんで“8つ”ピックアップし、前編・後編の2回に分けて解説していきます。

1.活用方法が広がる! 新しいWindows UI

 Windows 8の機能の中で、最も注目を集めたのは、やはり、新しいユーザーインタフェース(UI:User Interface)とそこで動作するスタイリッシュなアプリケーション(以下、アプリ)だと思います(UIに関しては、従来の操作感との違和感から賛否両論ありますが……)。

 地下鉄や空港といった公共施設の案内表示を参考にしたというこの新しいUIデザインは、タブレット端末に代表されるような“タッチパネル環境”での操作に最適化されています。

 この新しいUIは「情報を見る」ことに特化したUIとも言われています。そのため、基本的にアプリは、コンテンツに集中できるよう配慮してUIを構築することになります。もちろん、Windows 8では、これまでのデスクトップUIも使用できます。ちなみに、デスクトップUIは「情報を編集する」ためのUIと位置付けられています。

 Windows 8は、1つのバイナリで、タブレット端末上での情報閲覧と通常のPCデスクトップでの情報編集を実現した、新しいスタイルのOSです。このWindows 8を搭載した端末の登場は、オフィスでの働き方だけでなく、組み込み機器の使い方をも変化させる存在といえるでしょう。

 例えば、最近セパレート型のノートPC(ディスプレイとキーボードが分離し、タブレット端末としても使用できるもの)が幾つかリリースされています。このようなタイプのPCを活用することで、例えば、工場内のFA機器の監視データの収集は、タブレット型+Windows スタイルアプリで行い、集めたデータはオフィスに戻ってからデスクトップアプリを用いて編集し、報告書を作成する……というような、新しい使い方が考えられます(図1)。

使用例(FA)
図1 使用例(FA)

 さらに、小売店などでは接客(顧客に対して商品を紹介する)をタブレット端末で行い、会計時、そのまま、キーボードやバーコードリーダーなどとドッキングしてPOS端末として利用する……といったことも可能です(図2)。

使用例(小売業)
図2 使用例(小売業)

 もちろん、昨今、さまざまなデバイスがUSBで接続できるようになったことや、タブレット端末およびノートPCのスペック(CPUのコア数増加、メモリやSSDの容量増加、バッテリー単体での稼働時間向上)が相当高くなったことも、組み込み機器の使い方の幅を広げる要因(それを後押ししている)といえるでしょう。

2.アプリを起動しなくても情報が見える・見せられる、Liveタイル

 Windows 8を起動すると、ログイン後の画面に、端末にインストールされているアプリが“タイル”形式で並べて表示されます。

 このタイル表示は、「Windows Phone」でも使われている「Liveタイル(ライブタイル)」という機能を有しており、アプリを起動しなくてもこのタイル上にさまざまな情報を表示させることが可能です(図3)。例えば、「ファイナンス」アプリであれば、日経平均株価やTOPIX、時事ニュースなどをリアルタイムに表示できます。

ライブタイル
図3 ライブタイル

 このLiveタイルは非常に高機能で、ネットワークからの通知で表示を更新することも可能です。組み込み機器での応用例としては、以下のようなデータ変更があったタイミングで、何らかの情報を表示するといったことが考えられます。

  • 工場に敷設した機器のアラーム情報
  • 店舗の売り上げのダイジェスト情報
  • GPS位置情報から検索した最寄り施設のアナウンス

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