チャデモ対応充電コネクタメーカーがコンボに参入、ドイツで合弁企業を立ち上げ:電気自動車
住友電気工業(住友電工)と住友電装は、米独の自動車メーカー8社が推進している電気自動車(EV)用急速充電規格「Combined Charging System(コンボ)」に対応したコネクタの開発を始める。
住友電気工業(住友電工)と住友電装は2012年10月24日、米独の自動車メーカー8社が推進している電気自動車(EV)用急速充電規格「Combined Charging System(コンボ)」に対応したコネクタの開発を始めると発表した。コンボ対応充電コネクタの開発で先行するドイツのREMA Lipprandt(以下、REMA)から基礎技術に関するノウハウを買い取るとともに、2012年11月中旬にも合弁で開発会社を設立する計画である。
住友電工は、日本の自動車メーカーが推進するEV用急速充電規格「CHAdeMO(チャデモ)」対応のコネクタを開発・販売している。チャデモ対応充電コネクタの開発企業が、コンボへの対応を表明したのは初めて。住友電工と、住友電工の100%子会社である住友電装は、コンボの充電コネクタの標準化委員会などに参加しているREMAの知見を活用することで、他社に先駆けてコンボ対応充電コネクタの開発体制を整えたい考え。
新会社の社名は「SUMI REMA EV Solutions GmbH」を予定している。本社はREMAと同じくドイツのボン市に置く。資本金50万ユーロ(約5196万円)のうち、住友電工が36%、住友電装が24%、REMAが40%出資する。従業員数は6人で、2013年3月までに60万ユーロ(約6235万円)を売り上げる予定だ。
コンボについては、米国の自動車エンジニアの団体であるSAE Internationalが2012年10月15日(米国時間)、EVとプラグインハイブリッド車の急速充電規格に正式採用したと発表している(関連記事)。
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