Kinectを活用した障害者向け活動支援ソリューション「OAK」、東大先端研と日本MSが共同開発:ICTのチカラで「できる」ことを増やす(2/2 ページ)
東京大学 先端科学技術研究センターと日本マイクロソフトは、脳性まひや脊髄性筋萎縮症などを抱える重度障害者の活動を支援するソリューション「OAK - Observation and Access with Kinect -」を共同開発。「Kinect for Windows センサー」を応用することで実現した。
OAKが実現する機能は大きく3つある。
1つ目は、口や目の開閉といった顔のわずかな動きを検出する「フェイススイッチ」、2つ目はその人の可動領域に合わせて空中に仮想ボタン(複数可)を配置し、ジャスチャ操作により仮想ボタンをプッシュする「エアスイッチ」、最後3つ目は動いたログを記録することで後から行動を分析し、これまで気が付きにくかった行動を明確にすることができる「モーションヒストリー」だ。
冒頭のイラストの子どもが、ハッピーバースデーの歌の最後に自分の舌をぺろりと出す。すると、フェイススイッチ機能がそれを「スイッチオン」と認識し、PCに接続されているファンを動かす――。これまで周りの家族や友達に消してもらっていたキャンドルの炎を自らの意思で消すことができる。「やったね!」。
「2012年5月に配布された『Kinect for Windows SDK 1.5』により、フェイストラッキングが可能になり、さらに、近距離(Nearモード)でのトラッキングや着座状態での上半身トラッキングも実現し、障害者活動支援ソリューションとしての完成度を高めることができた」と中邑氏は語る。
東大先端研と日本マイクロソフトは、障害のある学生のための大学・社会体験プログラム「DO-IT Japan」の活動の一環として、2012年10月5〜7日の期間、こどもの職業・社会体験型施設「キッザニア東京(KidZania Tokyo)」で、OAKを利用した体験会「重度肢体不自由・重複障害のある子どものためのICT活動体験プログラム」を実施。以降、全国の主要都市などでも同様の体験会を開催する計画だという。こうした活動による知見を集約し、今後、障害者支援技術製品の販売会社より、Kinect for Windows センサー、フィッティング/サポートをセットにしたパッケージとしてOAKを販売する予定である。
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