火星探査機「キュリオシティ」に採用されたリアルタイムOS:恐怖の7分間を支えた技術
火星に着陸した米航空宇宙局(NASA)のロボット探査機「キュリオシティ(Curiosity)」に、米ウインドリバーのリアルタイムOS「Wind River VxWorks」が採用されている。
2012年8月6日午後2時半ごろ(日本時間)、米航空宇宙局(NASA) ジェット推進研究所 マーズ・サイエンス・ラボラトリーのロボット探査機「キュリオシティ(Curiosity)」が火星に着陸した(打ち上げは2011年11月26日)。今後、生命の痕跡の調査や将来の有人探査に向けた居住可能性についての評価などが行われる。
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今回のプロジェクトには、NASAだけでなく、民間企業も開発に携わっている。そのうちの1社が米ウインドリバーだ。
1997年7月に火星に着陸したマーズ・パスファインダー(Mars Pathfinder)探査機にも同社のリアルタイムOS「Wind River VxWorks」が採用された。これが、宇宙探査機に採用された初の商用OSの事例というのは有名な話。実は、今回、火星着陸に成功したキュリオシティのコントロールシステムにもVxWorksが搭載されている。
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キュリオシティが目的のミッションを行うためには、火星の地表に着陸することが大前提となる。そのためには、火星の大気圏に突入し、降下・着陸(EDL:Entry, Descent and Landing)しなくてはならない。
着陸までの時間はおよそ7分間(通称「恐怖の7分間」)。その間、キュリオシティ自身が自律制御で複雑な着陸手順を行わなければならない。緻密で高精度な制御が要求される。火星着陸後には、地表面での運用制御、データ収集、火星・地球間の通信中継といった作業が行われる。同社によると、こうしたミッションクリティカルな部分に、VxWorksの性能が生かされているという。
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