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トヨタ「ポルテ」が全面改良、燃費20km/l超の“プチバン”競争が過熱コンパクトカーでもミニバンでもない?(2/2 ページ)

トヨタ自動車は、トールワゴンタイプの小型車「ポルテ」を全面改良し、コンパクトカーでありながらスライドドアや広い室内空間といったミニバン的要素を持つ“プチバン”市場に投入する。この新型ポルテや、「N BOX」、「タント」、「ソリオ」などにより、燃費20km/l超の“プチバン”競争が過熱しそうだ。

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20km/l超プチバンの中では走行性能がダントツ

 新型ポルテと競合するとみられるのが、燃費が20km/lを上回るとともに、電動スライドドアを搭載する車両である。軽自動車であれば、ホンダの「N BOX」やダイハツ工業の「タント」、登録車であればスズキの「ソリオ」などが代表として挙げられる。

 表1では、新型ポルテ、N BOX、タント、ソリオといった低燃費プチバンについて、外形寸法(全長×全幅×全高)や車重、エンジン性能(排気量/最高出力/最大トルク)JC08モード燃費、電動パワースライドドアの形状と開口サイズ(開口幅×開口高さ×床高さ)、横滑り防止装置(ESC)の有無、車両価格について比較している。なお各仕様値は、新型ポルテは「X」の1.5lエンジンモデルにアイドルストップを追加したもの、N BOXは「G Lパッケージ」、タントは「X」、ソリオは「G アイドリングストップ」を用いている。

車両名 ポルテ N BOX タント ソリオ
外形寸法 3995×1695×1690mm 3395×1475×1770mm 3395×1475×1750mm 3710×1620×1765mm
車重 1150kg 930kg 930kg 1000kg
エンジン性能 1.5l/80kW/136Nm 0.658l/43kW/65Nm 0.658l/38kW/60Nm 1.2l/67kW/118Nm
JC08モード燃費 20.6km/l 22.2km/l 24.8km/l 21.8km/l
電動スライドドアの形状 センターピラーなし センターピラーあり センターピラーなし センターピラーあり
電動スライドドアの開口サイズ 1020×1250×300mm 640×1400×380mm 1480×1355×370mm 580×1230×365mm
ESCの有無
車両価格 164.5万円 134万円 132万円 147.7万円
表1 低燃費プチバンの比較
ホンダの「N BOX」
ホンダの「N BOX」(クリックで拡大) 出典:ホンダ
ダイハツの「タント」
ダイハツの「タント」(クリックで拡大) 出典:ダイハツ工業
スズキの「ソリオ」
スズキの「ソリオ」(クリックで拡大) 出典:スズキ

 外形寸法については、全長と全幅はポルテが1番大きい。全高は、N BOX、タント、ソリオの方が高い。車重は、ポルテが一番重く、次にソリオ、軽自動車の2車種が続く。

 エンジン性能は、カローラと同じ排気量1.5lの新型エンジンを搭載するポルテが圧倒している。これだけ走行性能の高いエンジンを使用しているにもかかわらず、ポルテはJC08モード燃費で20km/l超を確保した。

 電動スライドドアは、助手席側にセンターピラーがないトヨタグループのポルテとタントの開口幅が極めて広い。なお、タントの開口幅は、助手席側の前方ドアも開放した場合のもので、電動スライドドアだけの開口幅は580mmである。N BOXはセンターピラーを有しているものの、登録車であるソリオよりも開口幅が広く、開口高さは1400mmに達する。

 機能として見過ごされがちなのがESC搭載の有無だ。以前の国内市場では、中型車以上でなければESCはほとんど搭載されていなかった。しかし、比較した4車種を見ると、タント以外は全てESCを搭載しており、走行時の安全性は総じて向上したと言えよう。

 車両価格は、登録車のポルテとソリオが高い。新型ポルテの燃費が20km/lを上回るためには、1NZ-FEを搭載する車種(159万円)を選ぶとともに、オプション価格が5万4600円のアイドルストップ機能を選択する必要があるのだ。一方、軽自動車のN BOXとタントは、アイドルストップ機能と電動スライドドアを搭載しているにもかかわらず、130万円台前半に価格を抑えた。

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