国内向け「ミラージュ」、燃費・排気量・サイズは「第3のエコカー」のど真ん中:東南アジア向けとは仕様が違う
国内向け予約が6月26日から始まる、三菱自動車のグローバルコンパクトカー「ミラージュ」。その燃費、エンジン排気量、サイズ、価格は、販売が好調な「第3のエコカー」のちょうど中間に位置している。
三菱自動車は、タイで2012年3月末から発売しているグローバルコンパクトカー「ミラージュ」の国内向け予約を6月26日から始めると発表した。国内市場向けに排気量1.0l(リットル)の3気筒エンジンとアイドルストップ機能「オートストップ&ゴー」を搭載した実用装備モデルの「M」は、国内のガソリンエンジン登録車でトップとなる27.2km/lという燃費を達成した。税込み価格は、オートストップ&ゴー非搭載のベースモデル「E」が99万8000円、Mが118万8000円、オートストップ&ゴー搭載の快適装備モデル「G」が128万8000円となっている。合わせて、国内向け発売日の8月末までに成約した場合に、5万2500円分(税込み)のディーラオプションをプレゼントするキャンペーンも始めた。
ミラージュのタイ市場向けモデルは、排気量が1.2lのエンジンを搭載し、タイのエコカー認定基準を上回る22km/lの燃費を達成している。価格は、38万バーツ(約95万5000円)からとなっている。6月からは、タイ以外の東南アジア各国にも出荷を始める。
今回国内向けに発表されたミラージュは、タイ市場向けモデルよりも排気量の小さい1.0lエンジンを搭載している。これにより、国内向けミラージュは、JC08モードで30km/lの燃費を達成している軽自動車の「ミライース」(ダイハツ工業)や「アルト エコ」(スズキ)と、エンジン排気量が1.2〜1.3lで低燃費を特徴にしている「マーチ」(日産自動車)、「ヴィッツ」(トヨタ自動車)、「デミオ」(マツダ)のちょうど中間という、独自の位置付けを獲得している。
表1に、国内向けミラージュをはじめ、これらの“第3のエコカー”のエンジン排気量、燃費、ボディ全長、価格についてまとめた。各車両ともアイドルストップ機能を搭載していて、最も安価なモデルの仕様を示している。国内向けミラージュが、軽自動車2車種と、登録車3車種の中間のゾーンを狙っていることがよく分かる。
企業名 | ダイハツ工業 | スズキ | 三菱自動車 | 日産自動車 | トヨタ自動車 | マツダ |
---|---|---|---|---|---|---|
車両名称 | ミラ イース | アルト エコ | ミラージュ | マーチ | ヴィッツ | デミオ |
エンジン排気量 | 0.658l | 0.658l | 1.0l | 1.2l | 1.3l | 1.3l |
燃費(JC08モード) | 30.0km/l | 30.2km/l | 27.7km/l | 23.0km/l | 21.8km/l | 25.0km/l |
ボディ全長 | 3395mm | 3395mm | 3710mm | 3780mm | 3885mm | 3900mm |
価格 | 79.5万円 | 89.5万円 | 118.8万円 | 120.1万円 | 136万円 | 135万円 |
表1 “第3のエコカー”の主な仕様と価格 |
ミラージュと同クラスで、国内向けに量産されている車両としては、排気量1.0lのエンジンを搭載するトヨタ自動車の「パッソ」とダイハツ工業の「ブーン」がある。ただし、アイドルストップ機能を搭載していないパッソとブーンと競合するのは、ミラージュのEになるだろう。価格は、ミラージュのEが99万8000円、パッソとブーンが100万円からとほぼ同等。しかし燃費については、ミラージュのEが、パッソとブーンの20.8km/lを約11%上回る23.3km/lを達成している。
関連記事
- 「最新ガソリン車の実燃費はHEVと同等」、内燃機関車の研究団体が発表
マツダの「デミオ」やダイハツ工業の「ミラ イース」など、燃費が30km/l以上のガソリン車に注目が集まっている。次世代ガソリン・ディーゼル車研究会の比較実験によると、これら最新のガソリン車とハイブリッド車(HEV)の実燃費は同等だったという。 - マツダ SKYACTIVエンジン開発担当者インタビュー(前編):SKYACTIVエンジンは“理想の燃焼”に向けた第1ステップ
マツダの「デミオ」や「CX-5」など、次世代技術「SKYACTIV」を採用した新モデルの販売が好調だ。これらの車両の最大の特徴となっているのが、「SKYACTIVエンジン」による良好な燃費や排気ガス性能である。MONOistオートモーティブフォーラムでは、このSKYACTIVエンジンの開発を主導した、同社パワートレイン開発本部 エンジンプログラム主査の仁井内進氏へのインタビューを前後編に分けてお届けする。今回の前編では、SKYACTIVエンジンの開発の根幹を成す“理想の燃焼”に向けた取り組みについて聞いた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.