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「メーターは車載情報機器の1つ」、フリースケールはARMコア製品で対応へ車載半導体

フリースケール・セミコンダクタ・ジャパンは、カーラジオや低コストの車載情報機器、ディスプレイメーター向けに、ARMのプロセッサコアを非対称構成で2個搭載する「Vybrid」を展開する。同社は、Vybridの投入に合わせて、メーターの分類を車載情報機器に変更した。これにより、メーター向け製品のプロセッサコアは、従来のPower ArchitectureからARMに置き換わることになる。

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 フリースケール・セミコンダクタ・ジャパンは2012年6月20日、非対称構成のデュアルコアプロセッサ製品「Vybrid」を車載向けに展開すると発表した。

 Vybridは、ARMのアプリケーション用プロセッサコア「Cortex-A5」と、マイコン向けプロセッサコア「Cortex-M4」をそれぞれ1個搭載するプロセッサの製品シリーズで、2012年4月に産業用機器や医療機器向けの品種が第1弾として発表されている(関連記事)。今回の車載向け製品の主な用途は、カーラジオや低コストの車載情報機器、ディスプレイメーターなどである。現在一部顧客向けにサンプルを出荷中。一般向けのサンプル出荷や開発ツールの提供は、2013年初頭を予定している。

 同社は、パワートレインやシャシー、ボディなどの制御系システムにはPower Architectureベースの32ビットマイコン「Qorivva」を、カーナビゲーションシステム(カーナビ)などの車載情報機器にはARMのプロセッサコア「Coretx-Aシリーズ」を搭載する「i.MX」を展開している。今回発表した車載向けVybridは、ディスプレイを多用するようになり、従来よりも高いグラフィックス処理能力が必要になっている、カーラジオやカーオーディオ、メーターを主な用途として想定している。

 カーラジオやカーオーディオは車載情報機器だが、小型モーターなどで針を回して速度やエンジンの回転数などを示す機械式メーターは、従来ボディシステムに分類されていた。実際に同社は、メーター向けのプロセッサ製品として、制御系システム向けのQorivvaマイコンである「MPC5645」や「MPC5606」を販売してきた。今回の発表でフリースケールは、ディスプレイを多用するメーターを車載情報機器の1つに位置付けるとともに、ARMコアであるCortex-A5とCortex-M4を搭載するVybridを展開する方針を示した。

車載情報機器やメーター向けプロセッサ製品に対する要求の変化フリースケールのDIS向けプロセッサ製品の展開 左の図は、車載情報機器やメーター向けプロセッサ製品に対する要求の変化である。最近のメーターがディスプレイを多用するようになっていることが分かる。右の図には、この要求の変化に合わせた、フリースケールのDIS向けプロセッサ製品の展開を示している。従来、機械式が主流だったメーター向けには、Power Architectureベースの「Qorivva」マイコンを販売していたが、今後は「i.MX」や「Vybrid」などのARMコア搭載製品で対応することになる。(クリックで拡大) 出典:フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン

 同社の車載マイクロコントローラ製品部でプロダクトマーケティング マネージャを務めるハニフ・サディック氏は、「今後、カーナビやカーラジオ、カーオーディオ、メーターなどを含むドライバー・インフォメーション・システム(DIS)向けには、Coretx-Aシリーズなどの『ARMv7』アーキテクチャベースのプロセッサコアを搭載する製品を展開する。これにより、ハイエンドのi.MXから、Vybrid、現在開発中のローエンド向け製品を含めて、DIS向けのプロセッサ製品は高いスケーラビリティを確保している」と語る。

 なお、ディスプレイを多用するメーターとしては、全ての表示をディスプレイで行うフルグラフィックスメーターと、機械式メーターと小型ディスプレイを組み合わせたものの2種類がある。今回発表したVybridはフルグラフィックスメーター向けになる。

 一方、機械式メーターと小型ディスプレイを組み合わせたシステム向けでも、ARMv7アーキテクチャベースのプロセッサ製品を開発しているという。これは、機械式メーターを制御するプロセッサコアが、Power ArchitectureからARMに置き換えられることを意味する。

処理能力は2コアの合計で850DMIPS

 Vybridの各プロセッサコアの動作周波数は、Cortex-A5が400MHzで、Cortex-M4が133MHzである。処理能力は合計で850DMIPS(Dhrystone MIPS)となっている。グラフィックス機能としては、2Dのアニメーションやコンポジション処理を行える「2D-ACE」と、Open VG対応の「GC355」を搭載。容量1.5MバイトのSRAMを内蔵しているので、ローエンドのカーラジオの構築や、2D-ACEによるグラフィックス処理に外付けのDRAMを使う必要がない。

 「米国におけるバックモニター搭載の義務化などに対応するため」(サディック氏)、アナログカメラのコンポジット映像を直接入力できるビデオインタフェースを1〜4チャネル集積した。この他、CAN×2、MOSTの接続に必要なMLB(Media Local Bus)、I2C×4、UART×6、SPI×3、イーサネット、USB 2.0 OTG(On-The-Go)×2、eMMC/SDカード×2、I2S×4など豊富なインタフェースを備える。パッケージは、BGAとQFPの両方を用意している。

「Vybrid」の機能ブロック図「Vybrid」を使ったカーラジオのシステム構成図 左の図は、「Vybrid」の機能ブロック図である。右の図は、Vybridを使ったカーラジオのシステム構成図。(クリックで拡大) 出典:フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン

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