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モーター搭載ボディシステム向けの車載マイコン、新コア「S12Z」を採用フリースケール S12ZVM

高集積のアナログ回路を有する車載16ビットマイコン「S12 MagniV」の第2弾製品である。「S12」をベースに機能を強化/拡張した「S12Z」をプロセッサコアとして搭載している。

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 フリースケール・セミコンダクタ・ジャパンは2012年3月、モーター制御用の駆動回路を集積した車載16ビットマイコン「S12ZVM」を発表した。同社が2011年6月に発表した、高集積のアナログ回路を有する車載16ビットマイコン「S12 MagniV」の第2弾製品となる(関連記事)。カーエアコン、ワイパー、燃料/送水ポンプなど、モーターを搭載するボディシステムに適している。2012年3月末までに一部顧客向けのサンプル出荷を開始する。一般向けの販売は2012年後半に始める予定だ。


「S12ZVM」の回路ブロック図
「S12ZVM」の回路ブロック図(クリックで拡大) 出典:フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン

 S12ZVMの特徴は大まかに分けて2つある。1つは、プロセッサコアとして、同社の「S12」をベースに機能を強化/拡張した「S12Z」を採用したことだ。S12Zは、最大動作周波数が100MHz、バス速度が50MHz。命令フェッチ用とデータアクセス用のバスをそれぞれ独立に有するハーバードアーキテクチャを採用するとともに、浮動小数点の演算も可能になった。さらに、メモリページングが不要なリニアアドレス空間を24ビット幅で利用できるので、ソフトウェアの開発や再利用が容易である。加えて、コンパイラのコードサイズを最適化しやすくするために、8ビット幅と32ビット幅のレジスタを追加した。S12Zと、2004年に発表した「S12」の強化版「S12X」について、あるデジタルフィルタ処理に必要なサイクル数を計測したところ、S12ZはS12Xの1/3で済んだという。

「S12Z」コアの特徴モーター駆動回路の実装面積の比較 左の図は「S12Z」コアの特徴である。右の図では、モーター駆動回路の実装面積を比較している。図内左上の個別部品による構成と比べて、図内右の「S12ZVM」を用いた構成は実装面積が最大で1/2まで削減できるという。(それぞれクリックで拡大) 出典:フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン

 もう1つの特徴は、ボディシステムへの普及が進んでいるブラシレス直流(BLDC)モーターを駆動するのに必要なアナログ回路を集積したことである。具体的には、3.5Vから40Vまでの入力に対応する電圧レギュレータやチャージポンプ回路、ゲートドライバ、電流検知用のオペアンプなどだ。また、S12 MagniVの第1弾製品「S12VR」と同様に、LIN(Local Interconnect Network)トランシーバも集積した。S12ZVMを用いたモーター駆動回路の実装面積は、単機能の車載マイコンとこれらのアナログ回路に相当する個別部品で構成する場合の約1/2に削減できる。BLDCモーターだけでなく、既存のDCモーターを駆動する品種も用意した。なお、S12ZVMで駆動できるモーターの数は1個である。

 フリースケールは、「S12Zの高い処理能力と浮動小数点演算機能、モーター駆動回路の集積によって、詳細な電力制御アルゴリズムが実装可能になり、システム全体の消費電力を低減できるようになった」としている。モーター制御用ソフトウェアの開発に活用できるライブラリも提供する予定だ。

 その他の仕様は以下の通り。フラッシュメモリ/RAMの容量は、32/2Kバイト、64/4Kバイ、128/8Kバイトから選択できる。32/2Kバイトの品種を除いて、512バイトのEEPROMも搭載する。また、LINトランシーバの替わりに電圧レギュレータをもう1つ追加した品種も用意した。この品種は、32/2Kバイトの品種を除いて標準搭載されているCANトランシーバを用いて通信を行うことになる。32/2Kバイトの品種は、LINトランシーバも、もう1つの電圧レギュレータも搭載しておらず、モーター制御のためのPWM(パルス幅変調)信号を出力するのに特化している。パッケージは、BLDCモーター向けの品種が外形寸法10mm角の64端子LQFP、DCモーター向けの品種が外形寸法7mm角の48端子LQFP。価格が149米ドルの評価ボードも用意している。

「S12ZVM」の品種
「S12ZVM」の品種(クリックで拡大) 出典:フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン

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