機械材料の定尺を知らないで設計できるのか!:甚さんの「技術者は材料選択から勝負に出ろ!」(7)(1/3 ページ)
機械材料にも「定尺」がある。材料の「標準サイズ」を知らなくては、設計・製造はできない。
当連載の登場人物
根川 甚八(ねがわ じんぱち)
根川製作所 代表取締役社長。団塊世代の大田区系オヤジ技術屋。通称、甚さん
国木田良太(くにきだ りょうた)
ADO製作所 PC事業部 設計2課 勤務。80年代生のイマドキな若者。機構設計者。通称、良君
良君! どこまでいったか、ちょいとまとめてちくれ! これは命令だ。
ショウチ・シマシタ・ダンナサマ。
寿司屋も技術屋も職人なら、「目利き力」が必要:第1回で解説済み
「目利き力」とは
ふざけんじゃねぇ! オメェはミタとかいう家政婦かぃ。ちゃんと理解したのか? あん?
もちろんです、甚さん! ところで、ずいぶんと進みましたね。アッ、それから、前回のポイントですが、「今や、接地設計は、メカ屋の常識!」ということですよね?
そうだ! 何度も言わせんじゃねぇ! オレサマの若き頃は無関係だったがよぉ、今じゃ、妨害電波には厳しい時代だ。オレサマも自己研鑽(じこけんさん)しねぇ〜となぁ。
それでは、もう少し、「板ばね」の種類を教えてくださいよ。
前回も登場したがよぉ、「板ばね」のナンバーワンは、なんと言っても「SUS301−CSP」だ。その材料を板金全体のランキングから位置を確認してみようじゃねぇかい!
それでは、第5回で掲載した「板金材料の部品点数別ランキング」を再度、図1に示しましょう。
ずごい! 何度見てもすごい! 繰り返しますが、切削用材料のランキング同様にすごいです! 早速、その材料特性の解説をお願いします。
べらんめぇ! そういう態度だからいつまでもたっても、「図面描けねぇ、読めねぇ院卒めぇ!」と言われちまうんだ! 技術の職人っていうのはなぁ、「比較法」を駆使しろって、何度言ったら分かるんだぁ、あん?
「比較法」? どっ、どうすればいいんですか?
「板ばね」のナンバーワンは、なんと言っても「SUS301−CSP」だと言ってもよぉ、図1ではド真ん中の赤い矢印(No.34)のランクだ。そんで1%を切っている。図面100枚中1枚ってところだなぁ。
それでは甚さん、無視していいですよね?
いんや〜、ちょいと待っちくれ!
確かに、本連載では上位70%以上の材料でくくり、材料知識の集中化と、材料の標準化による「低コスト化」を促してきました。
しかし、良君の考えがあることまで推測できませんでした。
良君のような場合、「例外もあります」として安易に逃げるのではなく、切削用材料、板金材料、樹脂材料によるランキングのほか、材料別によるランキングがあっていいと思います。この後、板ばね用板金のランキングを示しましょう。
また、理想的には、「材料の機能別ランキング」の存在が求められるでしょう。いずれにしても、最後の「砦(とりで)」は「目利き力」です。
そこよぉ! 「目利き力」があればよぉ、「安かろう、悪かろう」や、その真逆のぜいたくな材料、オーバースペックの材料を選択することはしねぇぜぃ!
甚さん、感激しました。「目利き力」があれば、「オレオレ詐欺」にだって引っ掛かりませんよね。
そうだ! 料理人も、おばあちゃんも「目利き力」が肝心だぜぃ! エリカちゃんも言ってたぞ。将来性のある男性の選び方、その「目利き力」が肝心だとよぉ。
ど、どういう意味ですか? 即、忘れた〜い! それでは、甚さん! 恒例の、板ばね用板金の部品点数別ランキングから教えてください。
ホイ来た、どっこい! ドライな院卒だ! 早速、図2を見やがれっ!
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