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2人乗りEVを日産自動車が開発、公道走行実験へ電気自動車

原付では物足りないが、セダンは必要ない。高齢者や単身者世帯では2人乗りEVを望む層が無視できない。日産自動車は開発中の2人乗りEVを使って、3つの地方自治体と共同で公道での走行実証実験を開始する。

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 乗用車両にはさまざまな用途があり、ユーザーも幅広い。例えば、近くの公共交通機関まで乗り継いだり、近所に買い物へ出掛けるなら、5人乗りのセダンである必要はない。50ccの原動機付自転車とセダンの中間に当たる電気自動車(EV)が必要だ。

 日産自動車は、2人乗り電気自動車(EV)「NISSAN New Mobility CONCEPT」の公道走行実証実験を3つの地方自治体と共同で開始する。2011年9月29日に公道走行に必要な大臣認定を国土交通省から取得した。2人乗りの超小型EVの公道走行実証実験は国内初だという。

 NISSAN New Mobility CONCEPTは、リチウムイオン二次電池を搭載したEV(図1)。全長2340mm×全幅1190mm×全高1450mmで、車重は470kg。最高速度は時速80km。ただし、実証実験では低速走行を中心に進める。例えば横浜市の実験では時速30km制限エリア内を走行する。

日産自動車の2人乗りEV
図1 日産自動車の2人乗りEV「NISSAN New Mobility CONCEPT」 全長2340mm、最高速度は時速80kmだ。2010年11月にコンセプトカーとして発表したEV(最大出力15kW、走行距離100km)を改良したもの。そもそものベースは、フランスRenout(ルノー)が2011年末に欧州で発売を予定するEV「Twizy」(二次電池の搭載容量は7kWh)である。Twizyの価格は6990ユーロ(約73万円)から。出典:日産自動車

青森県や福岡県、横浜市と共同実験

 実証実験では、超小型EVを活用した地域交通システムの検証や、車両の使い勝手を評価する。公道を走行して各種データを収集し、他の車両と同じ道路で、円滑に走る手法(交通流の確保)などを検証する。

 国土交通省の平成23年度「環境対応車を活用したまちづくりに関する実証実験」に沿った実験である。日産自動車は青森県と福岡県(いずれも36道府県が加わった「高齢者にやさしい自動車開発推進知事連合」に加盟)の他、横浜市と共同で超小型EVを動かす。

 青森県は、「奥入瀬渓流エコロードフェスタ2011」(2011年10月29〜30日)でNISSAN New Mobility CONCEPTを使って観光用モニター走行を行う。日産自動車の「リーフ」と三菱自動車の「i-MiEV」も併用する。青森県十和田市の観光コース(走行距離13.5km)を観光を含めて60分で走る。これを1日当たり3〜4回繰り返す。

 福岡県は、高齢者にやさしい自動車の実現に向けた社会実証実験(福岡県朝倉市、2011年10月1日〜11月30日)を実施する。NISSAN New Mobility CONCEPTの他、トヨタグループの車体メーカーであるトヨタ車体が販売していた1人乗りEV「コムス」と、韓国CT&Tの2人乗りEV「e-ZONE」も加える。ドライブレコーダーを使った各種データ(走行範囲や走行速度など)収集も試みる。

 横浜市と日産自動車は、低炭素都市を目指した次世代交通の推進のため、2009年から、5カ年計画「ヨコハマモビリティ プロジェクト ゼロ」に取り組んでいる。横浜市は、プロジェクトの一環として、NISSAN New Mobility CONCEPTを使った実証実験を始める。

 実験エリアは横浜市中区の「山手・元町エリア」(図2)。最大7台のNISSAN New Mobility CONCEPTをカーシェアリングし、2期に分けて実験する。第1期は2011年10月15日から、第2期は2011年11月17日から開始*1)する。

*1)横浜市は、普通自動車免許取得者などに対して、第2期の参加者を募集する。募集期間は2011年10月17日〜11月29日。

横浜市内の実験エリア
図2 横浜市内の実験エリア 横浜市中区の山手・元町エリアで実験する。出典:横浜市

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