国内最大規模の風力発電所、青森県の風力発電量が1.4倍に:スマートグリッド
再生エネルギー特別措置法案の成立がせまる中、さまざまな発電事業が立ち上がろうとしている。ソフトバンクが筆頭株主であるグリーンパワーインベストメントは、青森県つがる市に国内最大規模の風力発電所を建設する計画だ。
グリーンパワーインベストメントは、2016年3月の営業運転を目指した国内最大規模の風力発電所の建設計画について明らかにした。
同社の子会社であるグリーンパワーつがるが、日本海に面する青森県つがる市に出力2300kWの風力発電機を55基設置し、最大出力12万6500kW(126MW)の風力発電所を建設する計画だ(図1)。2013年8月の着工を目指す。風力発電所には蓄電設備は併設せず、東北電力と連系する。
図1 青森県の風力発電設備 10kW以上の風力発電の立地を示した。赤丸は2008年度、2009年度に設立されたもの。図中に示した現在最大の施設は野辺地町の出力5万kW(25基)。つがる市の設備は矢印の先の黒い四角の位置に建設する予定だ。出典:新エネルギー・産業技術総合研究機構(NEDO)の資料を改編
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)によれば、青森県には200基の風力発電施設があり、風力発電設備容量は、国内最大の29万2540kW(2010年3月末時点、出力10kW以上の稼働中の設備)。グリーンパワーインベストメントの計画は、NEDOがまとめた青森県内の容量の43%にも相当する。
今回の計画は東北電力の募集を受けて立案したもの。グリーンパワーインベストメントによれば、発電に適した風が得られ、人口密度が低い地域としてつがる市を選んだという。設置予定地は海岸線から2kmほど内陸の平坦な土地であり、周囲にはメロン畑が広がる。
ソフトバンクは2011年6月に同社へ出資。ソフトバンクが筆頭株主となっている。「風力発電については、ソフトバンクと協議しながら進めていく」(グリーンパワーインベストメント)。グリーンパワーインベストメントは、高知県大月町に12MWの風力発電所を操業しており、つがる市の計画は2つ目に当たる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- スペインの風力発電、最大の電力源に成長
2011年3月の風力発電が全発電の21%に - 現実的に見ても大きな可能性を秘める「風力発電」
10年以内に原発を上回る - 実用化迫る「直線翼縦軸風車」の可能性
地球が自転するように回転することで風力の弱点をカバー - 再生可能エネルギーに注力するGoogle、世界最大の風力発電所に1億ドルを投資
最大出力845MW、青森の7倍弱 - 世界のエネルギーの77%を太陽光や風力で供給可能、IPCCが発表
2050年には発電の20%以上が風力から