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製造現場の品質管理 “5M”カイゼンの心構え〔前編〕実践! IE:現場視点の品質管理(4)(1/2 ページ)

製造過程の品質を左右する5つの要素“5M”。それぞれに安定と品質向上のための秘訣(ひけつ)があります。業務にまい進していると忘れがちな心構えもあらためて読んでおきましょう。

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⇒前回(第3回)はこちら
⇒連載「実践! IE:現場視点の品質管理」バックナンバー

品質管理要素“5M”とは?

 製品を生産する過程で品質に影響を及ぼす要素は「5つの要素」から構成されています。これらの要素の品質のバラツキ具合が総合されて製品の品質が決定付けられるといわれています。

 この生産の品質管理要素は、一般に次の「図1 生産要素の5M」のように表現されます。

図1 生産要素の5M
図1 生産要素の5M

 これらの要素を生産の5Mといいます。“人(Men)、方法(Method)、機械(Machines)、材料(Materials)、計測(Measurement)”の5つのMは、製品を製造する際の品質管理の要素として絶対に欠けてはいけない項目です。この5Mの要素と、種々の管理手法とを合わせて初めて合理的な品質管理活動と生産活動が行えるわけです。

 5Mは、本質的にはそれぞれが異なった特徴を持つ要素です。これらを組み合わせて製品の生産を行うには、同一の管理方法を当てはめて管理することはできません。いわゆる「良い製品を早く・安く作る」目的で使われる管理方法では、5Mのそれぞれの要素別に最適な管理の方法を実践していく必要があります。これを図で表すと「図2 5Mの関連図」のようになります。

図2 5Mの関連図
図2 5Mの関連図

 人の教育も品質管理の1つです。例えば、材料、作業方法、計測方法、使用する設備が良くても、人が正しい作業方法や機械の正しい操作方法で行われなければ、良い品質の製品を作り出すことはできません。また、あらかじめ設定されている標準時間で作業が完了しなければ、高い原価の製品となってしまいますし、納期も守れなくなってしまうでしょう。作業者に正しい仕事の方法を教育・訓練することによって、結果として良い品質、予定通りの原価で、納期を守ることができるのです。そして、これらをより高い水準へと改善していくことは、まさに品質管理そのものであるといえます。

 現場の管理者が作業者に指導を行い、人の技能が向上していくことで、全体の生産意欲が高まり、Q・C・D(生産目標)を達成できるようになります。そして、これらの効果が製品を使用する顧客の信用を高め、結果として私たちの会社の発展や従業員それぞれの生活向上に大きな役割を果たしていくというプラスのスパイラルを描いていくことになります。

 また、管理の手法として、例えば、「QC7つ道具」などを利用して、事実をいろいろな角度から科学的に解析して正しい判断に基づいた改善を推進していくことが大切です。「QC7つ道具」は、仕事を効率よく進めるための道具の1つですが、要は、これらの手法をどのように活用すれば仕事の効果を高めることができるかを考えながら実践していくことが、「現場視点の品質管理」を成功に導いていく鍵といえます。

 連載第4回および第5回では、5M(人、機械、方法、材料、計測)管理の重要さについて説明します。特に、生産の3要素であるQ・C・Dのうち、Q(Quality:品質)を維持することに焦点を絞り、品質向上のために5M各要素のムリ・ムダ・ムラをどう除去し、安定した生産体制を築いていくかを示します。こうした生産品質向上の努力は、そのまま納期や原価の改善に効果的であることをよく理解し、品質管理活動を実践していただきたいと思います。


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