自由度と、リンク機構の基本のいろいろ:メカメカリンクで設計しよう(1)(3/3 ページ)
対偶とは、構成するリンク機構のうち、対となる2つのリンクが相対的な運動の自由度を残して結合したものをいいます。リンク機構を構成する上で、基本となる対偶の種類は次の6つです。
- 回転対偶(自由度=1) 例:チョウバン、転がり軸受けなど
図7 回転対偶
- すべり対偶(自由度=1) 例:ガイド溝、リニアガイドなど
図8 すべり対偶
- 回転+すべり対偶(自由度=2) 例:ボールブッシュなど
図9 回転+すべり対偶
- ねじ対偶(自由度=1) 例:ねじ機構、ボールねじなど
図10 ねじ対偶
- 球対偶(自由度=2 or 3) 例:ボールジョイントなど(ジョイント部でねじり回転できる場合は自由度3)
図11 球対偶
- 移動対偶(自由度=2 or 3) 例:ドラフター、広域ワイパー機構など(平面上で回転できる場合は自由度3)
図12 移動対偶
上記6種類の対偶を組み合わせてリンク機構の構成を考えて組み合わせることで、オリジナルのリンク機構を創造することができるのです。
次回は、基本的なリンク機構の種類を理解し、リンクの長さを変えるだけで違った動作ができるという四節リンク機構の特徴を知りましょう。(次回に続く)
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山田 学(やまだ まなぶ)
1963年生まれ。ラブノーツ代表取締役、技術士(機械部門)。カヤバ工業(現、KYB)自動車技術研究所で電動パワーステアリングの研究開発、グローリー工業(現、グローリー)設計部で銀行向け紙幣処理機の設計などに従事。兵庫県技能検定委員として技能検定(機械プラント製図)の検定試験運営、指導、採点にも携わる。2006年4月、技術者教育専門の六自由度技術士事務所を設立。2007年1月、ラブノーツを設立し、会社法人(株式会社)として技術者教育を行っている。著書に『図面って、どない描くねん!』『読んで調べる 設計製図リストブック』(共に日刊工業新聞社刊)など。
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