シチズンマシナリーが旋盤でマシニング領域へ、より小径高精度で成長:工作機械(1/2 ページ)
シチズンマシナリーは軽井沢本社で記者会見を開き、代表取締役社長の伊奈秀雄氏が今後の成長戦略などを発表した。新機種の投入でマシニングセンタの加工領域の取り込みを図る。
この記事の3行ガイダンス
- 受注は好調で中計の目標である売上高1000億円は1年前倒しで達成見込み
- 「JIMTOF2026」で披露する新機種でマシニングセンタの加工領域を取り込みへ
- ヒューマノイド向けなどでより小型で精密な部品の需要が拡大すると予想
シチズンマシナリーは2026年10月8日、軽井沢本社(長野県御代田町)で記者会見を開き、同社 代表取締役社長の伊奈秀雄氏が今後の成長戦略などを発表。新機種の投入でマシニングセンタの加工領域の取り込みを図る。
課題解決型へ変化する設備投資のニーズ
シチズングループの2026年度通期(2026年4月〜2027年3月)の売上高は前年度比13%増の3950億円を見込む。この通期の予想は、2026年8月に上方修正したばかりだ。その中で工作機械事業の2026年度の売上高は前年度比20%増の1040億円となり、2027年度までの中期経営計画で掲げていた売上高1000億円の目標を1年前倒しして達成する見通しとなる。
工作機械事業はシチズングループが持つデバイス事業、時計事業と比べても、最も高い伸び率を見せている。従来、同社では売上高1000億円に向けた事業基盤の構築を目指し、中国での新工場やタイでの工場増床などを進めてきた。それでも今回は、設備導入を前倒しするなどして需要に対応。本社工場でも、研磨工程での自動化設備を導入する予定だ。
2026年度の生産量は前年度比で1.53倍に高まる見込みで、現在もフル生産が続いているという。特に、主軸台移動形CNC自動旋盤の「Cincom Rシリーズ」は半導体検査装置に使われるコンタクトプローブの量産に伴って中国での需要が旺盛になっている。
工作機械業界の活況で直動部品やボールねじ、軸受などの部品に関しては調達も課題だ。「部材が少なくなりつつある傾向は間違いない。電気部品でもモーター関連で一部遅れが出ている。先行発注などで部材の確保に努めている」(伊奈氏)。
中心にあるのは、AI(人工知能)、半導体関連の需要増と設備投資需要の回復だ。AIの普及に伴ってデータセンターの建設が相次いでおり、データの保管、処理を担う半導体やメモリ、コネクター、サーバ部品の増産が市況をけん引する。データセンターの稼働を支える冷却ポンプや配管、継手、蓄電、非常用電源、さらには建設に使われる建機のコントロールバルブなどの精密部品も増産している。半導体製造装置、半導体検査装置関連の需要は、2030年頃まで増加傾向が続くと見る。
その中で伊奈氏は、ユーザーのニーズに変化を感じているという。「課題解決型の設備投資が増えている。人手不足などを背景に、設備投資の際に新しい設備を導入することでどのように現状の課題を解決できるのか、という点に関心が高まっている。工程集約型の汎用ラインを検討する企業も増えている。生産量が変化した際に、柔軟に入れ替えられる設備を検討している」(伊奈氏)。
同社は「JIMTOF2026」(2026年10月26〜31日、東京ビッグサイト)において、「理想を現実に、新たな加工領域へ。(Vision to Breakthrough-Beyond Machining)」をテーマに掲げ、従来の旋盤加工の枠を超えたソリューションを提案する。会場で披露する「Miyano BNE-65ATCハイスペックモデル」「Cincom L32ハイスペックモデル」は、そのテーマを体現する新製品となる。
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