ヤマハ発動機が主力シリンダーにリサイクルアルミ採用、水素設備も国内から実装:脱炭素(1/2 ページ)
ヤマハ発動機は、環境技術への取り組みに関する進捗状況を説明するとともに、新たにオールアルミ製「DiASil(ダイアジル)シリンダー」の原材料を、従来のバージン材からリサイクルアルミ合金へ順次切り替えることを発表した。
ヤマハ発動機は2026年10月6日、環境技術への取り組みに関する進捗状況を説明するとともに、新たにオールアルミ製「DiASil(ダイアジル)シリンダー」の原材料を、従来のバージン材からリサイクルアルミ合金へ順次切り替えることを発表した。
2050年に向け「気候変動対策」「資源循環」「生物多様性」を推進
ヤマハ発動機では、2050年をターゲットとした環境計画「環境計画2050」を展開中で「気候変動」「資源循環」「生物多様性」の3つを重点領域として、さまざまな施策を進めている。気候変動に関しては2025〜2027年度の中間目標として、GHG(温室効果ガス)プロトコルのScope1、2領域で、2010年度比の売上金額原単位74%削減を目指している。また、Scope3 カテゴリー11(自社が販売した製品が使用される過程で排出される温室効果ガス)については、2024年度比で販売台数原単位6%削減を目標としている。
資源循環については、サステナブル原材料(リサイクル材とグリーン材)の利用率18%を目指す。生物多様性については、ビオトープ併設工場を2030年に国内5工場とすること、シルボフィッシャリー型マングローブ植林を37万本行うことなどを挙げている。これらの目標の進捗状況について、ヤマハ発動機 人事総務本部 環境推進部 部長の佐藤孝宏氏は「中間目標に対して、全分野でおおむね順調に進んでいる」と手応えを語る。
熱力学計算による材料組成開発でリサイクル材の使用にめど
その中で、資源循環に関して新たに開始したのが、コミューターなどで使用しているオールアルミ製「DiASil(ダイアジル)シリンダー」材料のリサイクルアルミ合金への切り替えだ。
ヤマハ発動機独自の技術であるDiASilシリンダーは、鉄スリーブやメッキ処理を必要としないオールアルミ製シリンダーだ。独自の製造技術により、2002年に実用化に成功し、現在はヤマハ発動機のさまざまな二輪車製品に採用されている。従来は、リサイクル材料は不純物を含むため、求められる品質を満たすことができなかったため、原材料にはバージン材のアルミ合金を使用してきた。
しかし、資源循環拡大に向け、バージン材と同等の部品機能を持ち、同じ工程で部品製造できるリサイクルアルミ合金の開発に着手した。最終的に熱力学計算を駆使し、最適な組成を実現する方法を確立し、台上評価や車両評価を重ねることで必要な部品機能が確認できたため、実用化を決定した。「基本的には熱力学計算による材料組成の方向性で検討を進め、製造条件などを変更しなくても、基準を満たす素材ができた」とヤマハ発動機 生産技術本部 材料技術部 第2評価解析グループ グループリーダーの茂木卓也氏は述べる。
リサイクルアルミ合金を採用したDiASilシリンダーは、インドネシアで生産するコミューターモデルから切り替えを開始し、今後はグローバルに展開していく計画としている。また、この技術の採用により、アルミ材についてはサステナブル材(リサイクル材とグリーン材を合わせたもの)の使用比率を95%程度まで引き上げられるめどが立ったという。「今後はグリーン材の採用なども含め、2030年度までにサステナブル材100%を目指す」(茂木氏)としている。
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