「イヤフォン一体型」で脳波を測定、村田製作所らが聴覚性脳波反応実証:医療機器ニュース
VIEと村田製作所は、共同開発したイヤフォン一体型脳波デバイスで、研究用脳波計と同等の精度で聴覚性脳波反応を検出できることを実証した。
VIEは2026年9月16日、村田製作所と共同開発を進めるイヤフォン一体型EEGデバイス「VIE EEG Headphone」を用いて、研究用脳波計と同等の精度で音刺激に対する脳波反応を検出できることを確認したと発表した。
VIE EEG Headphoneは、左右のイヤーチップにペースト不要の乾式導電性電極を組み込み、耳に装着するだけで脳波を測定できる。音刺激の出力機能と脳波計測機能を1つのウェアラブル機器に統合し、配線の取り回しを不要にした。音声信号とタイミング伝達用の同期信号を単一の音声データに組み込んで内部で振り分ける内蔵オーディオトリガー機能も備える。
健康成人の8人を対象とした実証実験では、湿式電極を用いる研究用脳波計「Polymate Mini AP108」との同時装着により比較検証を実施した。2つの機器の一致度は、ピアソンの相関係数(r)に加えて、Lin’s一致相関係数(CCC)、級内相関係数(ICC)、Bland-Altman分析という、複数の統計指標を組み合わせて評価した。
安静時、ターゲット音に注意を向けた際に生じる脳波反応「P300」、音の変化に脳が無意識に反応する微弱な波「ミスマッチ陰性電位(MMN)」、40Hzのリズム音に同期して脳波が振動する「聴性定常反応(ASSR)」の4課題において評価したところ、いずれも高い一致度を示した。特にP300振幅と安静時アルファ波パワーではICCが0.90を上回る精度を確認した。
P300課題における加算平均波形の比較。(a)研究用脳波計(Polymate)、(b)VIE EEG Headphone、(c)両者の重ね合わせ。オレンジ線がターゲット音、青破線が標準音への反応[クリックで拡大] 出所:VIE
従来の音刺激を用いた脳波計測では、音出力機器と脳波記録機器の分離による同期タイミングの正確性が課題となっていた。今回の検証により、単チャンネル構成でも高精度な計測が可能であることが確認された。認知負荷のモニタリングや聴力スクリーニング、神経変性疾患のバイオマーカー探索など、日常的なウェルビーイングや研究用途への応用が期待される。
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