Webブラウザで流体解析、18例題の照合根拠と確認範囲も公開するクラウドCFD登場:CAEニュース
mfabricaは、Webブラウザ上で流体解析を実行できるクラウドサービス「StreamWright」を正式公開した。メッシュ生成から計算、日本語レポートの作成まで対応する。公開中の18例題について照合根拠と確認範囲を示し、個々の計算では工学量の定常性と保存則に基づく判定を表示する。
mfabricaは2026年9月28日、クラウド型の流体解析(CFD)サービス「StreamWright(ストリームライト)」を同月25日に正式公開したと発表した。
STEPまたはSTL形式のCADファイルをアップロードし、Webブラウザ上のGUIで条件を設定すると、メッシュ生成から計算、後処理、日本語レポートの作成までクラウド側で実行できる。解析エンジンには「OpenFOAM」を採用しており、利用者側でソフトウェアをインストールしたり、Linux環境を構築したりする必要はない。
StreamWrightは、CFDの実行環境の整備や専門人材の確保、結果の妥当性の判断といった設計部門の課題に対応するため、CAE分野で30年以上の実務経験を持つ同社 代表の水野操氏が開発したサービスだ。
全18例題の照合根拠と確認範囲を公開
StreamWrightでは、公開中の18例題について、それぞれの照合根拠と確認範囲を示している。内訳は、理論解や実験値、ベンチマークと数値を突き合わせた「定量照合」が10本、「保存則・整合性確認」が2本、「教材用参照ケース」が3本、「機能・回帰テスト」が3本だ。
水野氏は「CFDサービスの多くは『検証済み』と一言で記載されているが、18本の例題を全て同じ言葉で呼ぶのは正確ではないと考えた。そこで、例題ごとに何と照合し、どこまで確認したかを分類して公開した。利用者が使う前に自分の目で確かめ、判断できるサービスにしたい」と述べている。
定量照合に分類される例題には、90度エルボ配管の圧力損失、くさび翼周りの超音速流れ、ダム崩壊時の自由表面流れなどがある。ダム崩壊の例題では、水の前縁位置の時間変化を、1952年に報告された水柱崩壊実験のデータと照合した。
工学量の定常性と保存則に基づき結果をチェック
StreamWrightによる個々の計算では、流量や圧力損失、温度といった工学量の定常性と、質量/エネルギーの保存則に基づく自動チェックを行う。結果画面には3段階の総合判定を表示し、判定に用いた工学量の最終値と履歴も確認できる。
解析結果は日本語のレポートとして自動生成され、PDF形式で出力できる。VTK形式でダウンロードし、「ParaView」などで確認することも可能だ。また、部品モデルから流体が占める空間を作る手順を、解析タイプ別のジオメトリ準備ガイドとして公開した。ガイドは全7章で、ログインせずに閲覧できる。
管路の圧力損失や流量配分などの非圧縮性流れ、ヒートシンクや基板冷却の共役熱伝達、自然対流、圧縮性流れ、回転機械、多孔質メディア、自由表面流れ、粒子追跡、熱輻射などに対応する。CFD専任者のいない設計部門や、商用ソフトウェアのライセンス追加を検討する解析部門、受託解析に出す前段の検討を内製化したい設計事務所などを想定し、形状や解析条件の候補を絞る段階での利用を見込む。
料金はクレジットによる従量課金制で、1クレジットの単体価格は1500円。20クレジットの「Starterパック」は3万円、100クレジットの「Proパック」は13万5000円、500クレジットの「Teamパック」は60万円となる(いずれも税別)。1回の解析に必要なクレジットはメッシュ規模で決まり、100万セル以下は1クレジット、1000万セル以下は10クレジット、それを超える場合は50クレジットとなる。クレジットの有効期限は購入から6カ月で、アカウント登録は無料だ。
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