古野電気、実スケール船の旋回運動をCFDで高精度に再現:CAEニュース
古野電気は、実船スケールのタンカー旋回運動をCFD解析で再現し、実船データとの比較で高い予測精度を確認した。
古野電気は2026年9月8日、実船スケールでタンカーの旋回運動をCFD(計算流体力学)解析し、実船データとの比較によって予測精度を検証したと発表した。
古野電気は新来島サノヤス造船と共同で、タンカーの左右旋回運動を解析した。実際の商船による旋回試験のデータと、CFDによる実船スケールのシミュレーション結果を比較した。
解析対象には、新来島サノヤス造船の船型「Sanoyas Tanker」を採用した。船体の6自由度運動や自由表面、プロペラの推力などを考慮し、船舶が旋回を始めるまでの前進距離と旋回圏を算出した。その結果、CFDによる予測値は実船計測値とおおむね一致した。
旋回圏の予測誤差は、右舷旋回で1%未満、左舷旋回で5%未満だった。船体と舵の表面粗さを実船相当の条件で解析に反映することにより、実船の旋回運動を再現した。
今回の成果は、「日本船舶海洋工学会 秋季講演会2025」と国際会議「Symposium on Naval Hydrodynamics(SNH)2026」で発表された。古野電気は今後、実測値との差異が生じる要因の分析や解析モデルの簡略化を進め、予測精度の向上を図る。
船舶の操縦性能を調べる実船試験や模型船試験には、大規模な設備や専門人材が必要になる。また、天候や海象条件の影響も受けやすく、試験コストが高くなるという課題もある。
CFDを使えば、コンピュータ上で流体現象や船体運動を再現し、設計段階でさまざまな条件を検証できる。試験回数や開発コストの削減に加え、安全運航支援や燃費改善への活用が見込まれている。
古野電気は、実運航データを使った操縦性能予測や安全運航支援技術を研究している。今後は、今回検証した解析技術の船舶設計や運航支援への活用を検討する。
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