イタリア海軍“フルスペック”哨戒艦に潜入! 最新鋭の操舵室に迫る:イマドキのフナデジ!(19)(3/3 ページ)
「船」や「港湾施設」を主役として、それらに採用されているデジタル技術にも焦点を当てて展開する本連載。第19回は、イタリア海軍の最新鋭PPA(多目的外洋哨戒艦)であり、対空戦、対水上戦、対潜戦の全てに対応可能なフルスペック仕様の「ジョヴァンニ・デッレ・バンデ・ネーレ」の操舵室を取り上げる。
未来指向な操舵室に残る「伝統的な艦橋」
ジョヴァンニ・デッレ・バンデ・ネーレでは、Naval Cockpitの後方に艦長用の独立したコンソールも用意している。3面の大型ディスプレイや電話機、キーボードを備えるとともに、この席からはNaval Cockpitや艦首方向を見渡すこともできる。
艦長用コンソールを右舷側から見下ろす。複数の大型ディスプレイに加え、キーボードや通話器などを備える。中央の画面には周辺情況が水上艦や航空機などを区別したNATO標準アイコン(APP-6)で表示されている他、左舷側画面には艦載兵器のステータスなどが示されていた[クリックで拡大]
その後方には大型の操艦関連コンソール群もある。その中央には舵輪、その左右には大型ディスプレイ、キーボード、多数のスイッチやレバー類が並ぶ。さらに、操舵室後方背面には、無線機や通話器、ディスプレイをまとめた通信席があり、別の区画には紙海図を広げられる海図台と航海機器も配置されていた。
Naval Cockpit後方にある大型操舵コンソールの左舷側。大型ディスプレイの下にキーボードや多数のハードウェアスイッチを配置し、側方にも小型の操作器を備える。前方のNaval Cockpitが着座した操作者を中心に機器を集約するのに対し、こちらは従来の船舶用コンソールに近い形を残している[クリックで拡大]
大型操舵コンソールの右舷側。大型ディスプレイ、キーボード、ハードウェアボタン群に加えて、スロットルレバー状の操作器も備える。左舷側のコンソールと合わせると、Naval Cockpitとは別に多くの表示/操作装置が操舵室内に残されていることが分かる[クリックで拡大]
操舵室最後部左舷背面に設けた通信席。無線機、通話器、ディスプレイ、キーボードなどが1つの作業区画にまとめられている。Naval Cockpitが多くの機能を統合していても、Naval Cockpitとは別に専用の通信席も設けている。役割に応じた専用コンソールを残している一例といえるだろう[クリックで拡大]
同じく操舵室後端中央背面に用意された海図台と航海作業区画。紙海図を広げられる机の上方には複数の航海機器や表示器が並び、周囲には資料類も収納している。デジタル化されたNaval Cockpitを導入したPPAでも、これまで船舶の航海に使われてきた作業環境が併存している[クリックで拡大]
PPAのNaval Cockpitは、航空機を思わせる外観だけが特徴ではない。航海、操艦、プラットフォーム管理、戦闘システムに関わる情報と操作をPilotとCopilotの周囲に集約した一方で、艦長用コンソール、操艦関連コンソール、通信席、海図台も残されていた。
Fincantieriは、PPAのSMS(Ship Management System)について、プラットフォーム/システムや航海システムの管理、監視、制御、意思決定支援を担う船内システムの中核と説明しており、PPAでは艦内の情報処理そのものが広く統合されている。Naval Cockpitでは、操艦やプラットフォーム管理、戦闘システムの一部を集約しつつも、従来の必要な航海作業や通信用の設備が同じ空間に共存していることも、PPAの操舵室の特徴といえるだろう。
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