常温で硬化するりん酸アルミセメント、焼成不要で高強度:材料技術
多木化学は、常温で硬化するりん酸アルミセメントを開発した。2成分混合型の常温硬化性バインダーで、りん酸アルミニウムとアルミニウム塩の酸性成分を特定比率で混合して得られる。
多木化学は2026年9月1日、常温で硬化するりん酸アルミセメントを開発したと発表した。りん酸アルミニウムとアルミニウム塩の酸性成分を特定比率で混合して得られる、2成分混合型の常温硬化性バインダーとなる。
今回開発したりん酸アルミセメントは、従来のアルミナセメントとは異なるpH領域で常温硬化でき、条件を変えることで任意の硬さや形状に成型できる。同社のりん酸アルミニウム「100L」と塩基性塩化アルミニウム「タキバイン#1500」を常温混合、型枠成型し、透明かつ高強度な成型体を得ることに成功。成型物は、りん酸アルミニウム由来の吸湿性を発現しないことを確認している。
今回の技術は、さまざまなバインダー用途に活用できる。アルミナを基材とするセラミックス成型物の作製時には、バインダーとして同社のりん酸アルミニウム「100P」と塩基性乳酸アルミニウム「タキセラム M-160P」から成るりん酸アルミセメントを活用。アルミナ、水と特定比率で常温混合、型枠成型することで、セラミックス成型体を得られる。
また、耐熱セラミックスとしての利用も想定する。100〜1400℃で焼成後に強度を比較したところ、りん酸アルミセメントは全温度範囲で高い強度を示した。
りん酸アルミニウムを常温で硬化させるため、水分を除去するための仮焼成工程を削減し、エネルギー使用量とCO2排出量を低減できる。硬化時間や硬度の調整も可能で、工程の省略や省設備などにもつながる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
カネカがリチウムイオン電池向けバインダー開発 コアシェルテクノロジー活用
カネカは、「人とくるまのテクノロジー展 2025 YOKOHAMA」で、開発品としてリチウムイオン電池向けバインダー「カネエース バインダー」や「難燃テキスタイルおよびリチウムイオン電池向け不織布」、リサイクル可能な自動車用繊維製品「モノマテリアルカーマットと不織布製品」を披露した。
第一工業製薬がリチウムイオン二次電池用バインダーの生産能力増強
第一工業製薬は、戦略的資源として位置付けられるリチウムイオン二次電池の需要増に対応するため、滋賀工場で負極用水系複合接着剤「エレクセルCR シリーズ」の生産能力を増強した。
レゾナックのリチウムイオン電池用バインダーがトヨタのハイブリッド車に採用
レゾナック・ホールディングスは、事業会社のレゾナックのリチウムイオン電池用バインダー「ポリゾール LBシリーズ」が、プライムアースEVエナジーのリチウムイオン電池の部材として初めて採用されたと発表した。
中国でバインダージェット方式3Dプリンタ事業の合弁会社を設立
ローランド ディー.ジー.は、愛司凱科技股份有限公司、景徳鎮昌南新区中熙投資合伙企業、AGCセラミックスとともに、バインダージェット方式3Dプリンタ事業に関する合弁会社「微瓷科技(江西)有限公司」を中国・景徳鎮市に設立した。
橋のように活物質同士や集電箔をつなぐPVA繊維 放電出力維持率を5%向上
クラレは、「人とくるまのテクノロジー展 2025 YOKOHAMA」で、開発中の製品として、コンパウンド成形材料「アーネストン 環境対応グレード」や、ポリビニールアルコール繊維「クラロン」の負極材バインダーグレードを披露した。



