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設計段階で車両全体の振動特性に与える影響を予測 NTNがCVJ振動解析技術を開発CAEニュース

NTNは、CVJ(等速ジョイント)が車両全体の振動特性に与える影響を設計段階で予測できる解析技術を開発した。車種ごとの特性に応じた製品開発を可能にし、開発効率向上と快適な車両づくりに貢献する。

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 NTNは2026年8月31日、CVJ(等速ジョイント)が車両全体の振動特性に与える影響を設計段階で予測できる解析技術を開発したと発表した。車種ごとの特性に応じた製品開発を可能にし、開発効率向上と快適な車両づくりに貢献する。


NTNのトリポード型しゅう動式CVJ「PTJ」 出所:NTN

 今回開発した技術は、自動車の駆動力をタイヤへ伝える重要部品であるCVJに起因する振動を、車両全体の視点で高精度に予測する。これにより、CVJの設計段階から車両搭載時の振動特性を把握できるようになり、試作車や実車による評価回数を減らしながら、車両ごとに最適化した製品開発を進められるようになる。


CVJから車内への振動の伝達 出所:NTN

 近年はHEV(ハイブリッド車)やBEV(バッテリー電気自動車)など電動車の普及によって、エンジン由来の騒音や振動が小さくなり、車両由来の振動や騒音が目立つようになった。車内の静粛性や乗り心地への要求は高まっており、自動車メーカー各社は、NVH(Noise:騒音、Vibration:振動、Harshness:乗り心地)性能の向上を重要課題としている。パワートレインやシャシー構成の多様化に伴い、車種ごとに異なる振動特性への対応も求められている。

 一方、自動車開発では開発期間の短縮と効率化も重要なテーマとなっている。部品メーカーには、設計初期段階から完成車搭載時の性能を把握し、迅速に評価できる技術へのニーズが高まっていた。

 CVJのうち、デファレンシャル側で使用されるトリポード型しゅう動式CVJは、サスペンションの上下動に追従しながら駆動力を伝達する構造を持つ。その際、ジョイント内部の摩擦によって軸方向の微小な力(誘起スラスト力)が発生し、車体へ伝わることで振動や乗り心地に影響を与える場合がある。

 これまでCVJの開発では、設計段階で車両全体への影響を正確に把握することが難しく、試作や実車評価を繰り返しながら性能を検証する必要があり、開発工数や期間の増加が課題となっていた。

 NTNはこうした課題に対応するため、長年培ってきたCVJ解析技術と、振動の伝達経路を分析するTPA(伝達経路解析)技術を組み合わせた新たな解析モデルを構築した。CVJ内部で発生する誘起スラスト力を高精度に再現するとともに、その振動がエンジンやe-Axle、サスペンション、フレームなどを経由して車室内へどのように伝わるかを解析できるようにした。

 さらに、各部品が持つ固有の伝達特性や振動特性を考慮することで、実際の走行時に発生する振動挙動を高精度に予測できるという。これにより振動の伝達経路を可視化でき、設計段階から振動低減に向けた検討が可能となる。

 新技術の導入により、車両特性に合わせたCVJ設計を開発初期から行えるようになるほか、試作品製作や実車試験の削減も期待される。NTNによると、開発工数は従来比で最大約8%削減できる見込みで、開発期間の短縮や高付加価値商品の市場投入加速にもつながる。

 また、設計段階で振動特性を検証できることから、自動車メーカーごとの要求に応じた提案力向上にもつながる。とりわけ静粛性が重視される電動車市場では、完成車開発との連携を深めながら製品競争力を高める技術として活用が期待される。

 今後NTNは、この解析技術を活用して車種ごとの振動特性データベースの整備を進める方針だ。蓄積した知見により予測精度をさらに向上させ、将来的には実車試験への依存度を大きく低減した開発プロセスの構築を目指す。

 NTNは、CVJの低振動化や静粛性向上に向けた技術開発を継続するとともに、次世代モビリティ向け製品の開発を強化する考えだ。今回の解析技術を活用しながら、電動車を含む多様な車両に対応した製品提案を進め、快適性向上に貢献していく方針である。

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