NECが描く「AIネイティブ製造業」 5つのバリューチェーンを変革する「MX」:製造マネジメントニュース(2/2 ページ)
NECは、AIネイティブに向けた製造業の変革コンセプトとして「マニュファクチャリングトランスフォーメーション(MX)」を発表した。
エンジニアリングチェーンで実現する「構想設計AI」と「すり合わせ設計」
具体的にどのようなAI関連サービスを製品化していくかについては「現在進行形」(NEC)としているが、例えば、エンジニアリングチェーンにおいては「構想設計AI」や「すり合わせ設計」などの実現に取り組んでいく。
「構想設計AI」は、市場要求や各チェーンからの実績データをもとに、AIがQCDE(品質、コスト、納期、環境)を満たす最適な構成案を自律的に生成し、設計と現場のギャップを埋めるフィードバックループを回すことで、条件に合う最適解を示すというものだ。人はAIが示す解を選ぶことでリードタイムの削減が図れる。人の力は、より高度な判断に知見を重点的に生かせるようになる。
「すり合わせ設計」は、熟練者の知見や過去トラブルをAIが継承し、品質や原価、納期、環境、法規制を考慮した最適設計を支援するというものだ。上流でQCDEを作りこむフロントローディングを実現し、競争力のある製品創出と設計判断に集中できるようにする。設計情報や生産情報が集まるPLMシステムを中核とする。
サプライチェーンで実現する「自律調整型サプライチェーン」
サプライチェーンにおいては、AIが自律実行し人は経営判断に集中する「自律調整型サプライチェーン」の実現を目指す。AIエージェントが需給変動を自動検知し、サプライチェーン上の関係者やAIと自動で交渉し合意を形成する。サプライチェーンが常に動的に最適化され、人の役割を、定型業務の実行から高度な経営判断へとシフトさせる。具体的には、サプライチェーンに関連する複数業務のそれぞれでAIエージェントを用意し、これらが話し合いながら最適解を作り出せるようにする。
「経営/現場一体型プロダクションチェーン」
プロダクションチェーンにおいては、設備、人、モノ、品質の情報をAIが常時監視し、異常検知から改善実行までを自律的に支援する経営/現場一体型プロダクションチェーンなどの実現を目指す。さらに、設計から製造、品質などの各部門で生まれる知見をAIでつなぎ、改善活動を進化させるような仕組みなども検討しているという。
AIは既に費用対効果が十分得られる環境に
AIの使用については、効果とAI関連投資のバランスなどで苦しむ声も多いが、費用対効果については「AIによる効果を幅広く算出すれば、バランスが取れるようになってきている。作業の効率化だけでなく、ミスの低減や、スピードの向上など、関連して高まる業務品質を考えると、決して無理して適用範囲を探さなければならないフェーズではなくなっている」(NEC)。
また、サプライチェーンについては、調達を含め他社との交渉をAIが行うようなことも想定しているが「当初は、AIによる自動応答などに対する抵抗感も予想していたが、AI導入後は回答が早くなり、取引先からも好評だった。これらも踏まえ、段階的に進めるべきだと考えている。まずは、人とAIの交渉から進め、いずれは、AIエージェントとAIエージェントが交渉をするような世界を実現する」(NEC)としている。
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