オリゴヌクレオチドを高速に鎖伸長できる新しい化学合成法を開発:医療技術ニュース
徳島大学は、オリゴヌクレオチドを簡便かつ高速に合成する、新しい化学合成法を開発した。五価リン[P(V)]型の新しいビルディングブロックを開発し、従来法よりも速くオリゴヌクレオチド鎖を伸長できることを示した。
徳島大学は2026年6月22日、オリゴヌクレオチド(DNA/RNA)を簡便かつ高速に合成する、新しい化学合成法を開発したと発表した。五価リン[P(V)]型の新しいビルディングブロック「ヌクレオシド 3′-ホスホロフルオリダート[P(V)-F]」を開発し、従来法よりも速くオリゴヌクレオチド鎖を伸長できることを示した。徳島文理大学との共同研究による成果だ。
オリゴヌクレオチドは、核酸医薬や遺伝子解析を支える重要な分子だ。今回の研究では、1951年に報告された世界初のオリゴヌクレオチドの化学合成研究に着想を得て、新しいビルディングブロックとして「ヌクレオシド 3′-ホスホロフルオリダート[P(V)-F]」を用いる手法を開発した。
開発したP(V)-F型ビルディングブロックは、単離保存が可能な高い安定性を示している。また、シリコン系添加剤を用いてP(V)-F結合を活性化することで、ヌクレオチド同士の鎖伸長反応が円滑に進行。その反応速度は、従来の三価リン型ホスホロアミダイト法と比較して速いことを確認している。合成の過程で分子を中性に保てるため、従来の五価リン型合成法で課題だった負電荷の蓄積による反応効率や溶解性の低下も回避できる。
研究グループは、標準的な自動合成装置を用いて10量体、12量体、20量体のオリゴヌクレオチド合成に成功し、実用的な自動合成への展開を実証した。さらに、DNAだけでなく生体内安定性を高めた化学修飾RNAへの展開可能性も示している。
従来のホスホロアミダイト法は、三価リン型のビルディングブロックの安定性が不十分だという課題があった。また、一塩基鎖が伸長するたびに、リン原子を酸化する必要があった。
今回の成果は、核酸医薬や遺伝子検査用材料の効率的な製造につながる可能性がある。将来的には、製造コストの低減や安定供給、環境負荷低減への貢献が期待される。
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