タムロンと大阪大学が薄型軽量で耐熱性に優れたMIM構造の近赤外光源を実用化:組み込み開発ニュース
タムロンは大阪大学との共同研究により、チップ型の「MIMメタサーフェス近赤外光源」の実用化に成功した。耐熱性に優れ、薄型軽量であるため、携帯型非破壊検査機器の小型化に貢献する。
タムロンは2026年6月19日、耐熱性に優れたチップ型の「MIMメタサーフェス近赤外光源」の実用化に成功したと発表した。これは大阪大学との共同研究による成果で、同社は2026年秋より同光源のコマーシャルサンプルの提供を開始する。
同光源は、金属、絶縁体、金属を積層したMIM(Metal-Insulator-Metal)構造を採用している。必要な波長の光を効率よく放出できるため、消費電力の大幅な削減や搭載装置の小型化を可能にする。
駆動方法は直流電源(0.4〜1.6A)による定電流制御で、発光体の使用温度は400〜800℃に対応する。電流が0.4Aのときの発光体温度は500℃となり、その際の消費電力は1.5W、連続発光時の寿命は1000時間以上を達成した。また、発光体を500℃に局所加熱した際のデバイス表面温度は、弱空冷時で50℃、無冷却時で85℃に抑えられている。デバイスの耐熱温度は250℃だ。
対象物を破壊することなく成分分析ができる近赤外光は、医療をはじめとするさまざまな分野で関心を集めている。しかし、従来のランプなどによる光源は不要な波長まで放出し、エネルギーロスや熱が発生することから、冷却装置の搭載による装置の大型化が課題だった。また、MIM構造は薄型軽量という利点があるものの、高い放射強度を得るために数百℃の高温に達すると熱劣化する点が実用化のハードルとなっていた。
同社はガラスモールドレンズの製造で培った熱処理および熱マネジメント技術を応用してこれらの課題を克服した。高い熱負荷に耐えられる薄型軽量の光源は携帯型非破壊検査機器の小型化に貢献する。同光源の用途としては、肌状態や血流の測定、食品の非破壊測定、インフラ検知などが想定されている。
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