AIが持つ「光と影の側面」とは何か 日本オラクルが2027年度の事業戦略を公表:製造ITニュース(3/3 ページ)
Oracle(オラクル)の日本法人である日本オラクルは2026年度(2026年5月期)の振り返りと新年度となる2027年度の事業戦略について説明した。同社はミッションクリティカルシステムのクラウドリフトを支援しつつ、AIが持つ「光の側面(メリット)」を最大限に引き出し、「影の側面(脅威)」へ対処するセキュアな基盤提供に注力する。
AIの「影の側面」──フロンティアAI時代に必要なシステムとは
オラクルはAIによって脆弱(ぜいじゃく)性発見やマルウェア開発が劇的に変化するフロンティアAIの脅威に対して、セキュリティパッチの提供サイクルを四半期ごとから毎月へ変更する。また、パッチを当てる体制が整っていない日本企業を支援するため、パートナー企業と協同でレジリエンス(回復力)向上のためのサービスやトレーニングを提供する。
三澤氏は「フロンティアAIによって脆弱性の発見スピードや攻撃コードの開発が劇的に早くなる。これに対して、リアルタイムで監視や監査が行える環境を整え、常に最新のパッチを当ててシステムをアップグレード可能な状態を保持することが重要だ。また、脆弱性を攻撃されてマルウェアなどにデータを破壊された場合に、この状態からすぐに復帰できるバックアップを取ることも必要である」と分析する。
オラクルではランサムウェアの対策として機能する究極のバックアップソリューションとして「Zero Data Loss Recovery Appliance」を10年程前から提供している。同ソリューションは、OSから見えない領域でトランザクションレベルの正確なバックアップを取り続けることができる。
三澤氏は「Zero Data Loss Recovery Applianceはオラクルのデータベースにしか適用できないため、現在のバックアップ手法を変えるのが面倒くさい、データだけがあってもシステム全体の復旧には役に立たないといった理由であまり見向きをされなかった。しかし、近年でこの考え方が見直され、正しいデータが残っているかどうかでシステム復旧のスピードが圧倒的に変わることが判明した。データをしっかりと守ることができるデータベースを提供できることもわれわれの強みである」と語る。
2027年度はインダストリーアプリケーションに注力
2027年度からオラクルは通信、エンジニアリング、建設、公益、金融などの特定の業界に特化した「インダストリーアプリケーション」を、Oracle Fusion Cloud ApplicationsやOracle NetSuiteと組み合わせて本格展開する。また、AI実装をPoC(概念実証)で終わらせないために、構想から業務適用までを支援する専任組織「Applied Engineering」を強化する。また、日本のSaaSベンダーがAIを活用して自社サービスを強化する体制の支援も行う。
三澤氏は「強力なインフラストラクチャの上にAIデータベースとデータプラットフォームを構え、さらにその上にホリゾンタルなFusionアプリケーションやNetSuite、インダストリーアプリケーションを提供する。そして、さまざまな状況に適したAIをいつでも選択できるような環境を整えていく」と述べた。
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