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AI活用の入り口はデータ整備である DNPがオラクルと協業し生成AIサービスを提供製造ITニュース(1/2 ページ)

大日本印刷(DNP)と日本オラクルは、DNPが独自開発した「DNPドキュメント構造化AIサービス」に、オラクルの自律型AIデータベース「Oracle Autonomous AI Database」を組み合わせたソリューションを2026年3月23日から提供すると発表した。

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 大日本印刷(DNP)と日本オラクルは2026年3月23日、東京都内で会見を開き、DNPが独自開発した「DNPドキュメント構造化AIサービス」に、Oracle(オラクル)の自律型AI(人工知能)データベース「Oracle Autonomous AI Database」を組み合わせたソリューションを同日から提供すると発表した。同ソリューションはDNPドキュメント構造化AIサービスの一環として提供し、同サービス全体で2030年度に50億円の売上高達成を目指す。

クラウドとAIを活用し、柔軟性の高い社内情報の探索が可能


DNPの金沢貴人氏

 今回発表した新しいソリューションは、業務マニュアルや品質記録、日報などの非構造化データを、生成AIが理解/活用しやすいデータへ整備する。これにより、在庫や購買、設備、品質といったリアルタイムの業務データと一体的に扱うことが可能だ。同ソリューションは、製造現場の問い合わせ対応時などで、社内文書と在庫/設備などの最新の状況を一度に確認できず回答に時間がかかる、特定の担当者に依存してしまうという課題を解決できる。

 DNP 常務取締役 ABセンター センター長/教育ビジネス本部担当 コンテンツ・XRコミュニケーション本部担当 情報システム本部担当/情報セキュリティ委員長 技術・研究開発本部 ICT統括室担当の金沢貴人氏は「AIは、情報の検索や文書の生成/要約、アイデアのブラッシュアップなどに抜群の威力を発揮する。一方で、企業内に存在する各種情報資産の連携に課題があるのが実情だ。AIの活用を進化させる最大の鍵は“入り口となるデータの整備”にあるとわれわれは考えている」と分析する。


生成AIが実務に定着しない理由[クリックして拡大] 出所:DNP

 DNPではこの課題に対して、独自のAI処理技術を用いたDNPドキュメント構造化AIサービスを展開している。同サービスは複雑な図表やツリー図などをAIが迷わずに理解できる“AIレディデータ”へと変換する。これにより、AIの誤回答を約90%削減して、実用レベルの回答精度を達成している。


DNPの構造化技術の詳細[クリックして拡大] 出所:DNP

 今回発表した新しいソリューションは、Oracle Autonomous AI Database上で社内文書と現場の最新状況を横断して検索し、回答内容と合わせて“どの情報に基づいた判断か”を提示する。

 具体的には、マニュアルや記録などの文書は、内容の意味に近いものを探す“ベクトル検索”で参照する。在庫や設備などのリアルタイムの業務データは、条件を指定して正確に探す“SQL検索”で取得する。これらを組み合わせることで、必要な社内文書と最新の業務データを同時に提示して回答が可能だ。例えば、「エラーAの対応方法は?部品はある?」と問い合わせると、過去の保全記録の該当箇所と在庫情報を合わせて提示し、素早い対応/判断ができる。

 また、同ソリューションはクラウドベースで提供されるため、顧客はシステム構築や運用の負担を抑え、短期間で利用を開始できる。クラウドベースである点を生かして最新のAI技術や新たなAIモデルも迅速に取り込みやすい。

 加えて、オラクルが展開するAI関連サービスを活用することで、業務に応じたAIエージェントの開発や機能拡張にも対応可能だ。

 Oracle Autonomous AI Databaseは、セキュリティと安定性が確保されており、顧客は安心してAI活用の基盤として利用できる。


新しいソリューションのイメージ[クリックして拡大] 出所:DNP

 金沢氏は「これまで培ってきた印刷技術をベースにして、今の生成AIサービスが実現できている。ただ、われわれ印刷会社が『こういうことができますよ』と伝えても、顧客にはなかなか響かない部分がある。一方、オラクルのデータベースは幅広い領域に導入されているため、今回の協業を起点にしてわれわれの技術を多くの顧客に認識して欲しいという期待がある。オラクル様の実績をわれわれとしては最大限活用していきたい」と語る。

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