コラム
LCNOがLFPやNCMより高くても競争力があるワケ:素材/化学メルマガ 編集後記
今回は、半導体エネルギー研究所(SEL)が開発した正極材料「LCNO」についてつらつら語っています。
半導体エネルギー研究所(SEL)は2026年5月28日、東京都内でプレス説明会を開催し、新規開発した正極材料である「LCNO」を用いて、「耐発火性を有する高エネルギー密度リチウムイオン電池」を開発したと発表しました。
LCNOは、コバルト酸リチウム(LCO)にニッケルとマグネシウムを添加した正極活物質材料で、高い構造安定性を有するため、高電圧耐性がある他、充電電圧を高くすることで、より高いエネルギー密度を実現することが可能です。
こうした利点がある一方で、希少金属で価格が高騰しやすいコバルトを採用しているため、コストに関してはリン酸鉄(LFP)やNCM(ニッケル、コバルト、マンガン:3元系)より高いという課題があります。しかし、それでもスマートフォン用リチウムイオン電池で高いニーズが見込めるワケについて当日は説明されました。今回の編集後記ではこのワケを紹介します。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
爆発するリチウムイオン電池を見抜く検査装置を開発した神戸大・木村教授に聞く
製造したリチウムイオン電池が爆発するかを見抜ける検査装置「電流経路可視化装置」と「蓄電池非破壊電流密度分布映像化装置」を開発した木村建次郎氏に、両装置の開発背景や機能、導入実績、今後の展開などについて聞いた。
カネカがリチウムイオン電池向けバインダー開発 コアシェルテクノロジー活用
カネカは、「人とくるまのテクノロジー展 2025 YOKOHAMA」で、開発品としてリチウムイオン電池向けバインダー「カネエース バインダー」や「難燃テキスタイルおよびリチウムイオン電池向け不織布」、リサイクル可能な自動車用繊維製品「モノマテリアルカーマットと不織布製品」を披露した。
廃棄物に混入するリチウムイオン電池を検出するシステムを発売
Integral Geometry Scienceは、廃棄物に混入するリチウムイオン電池を検出する「リチウムイオン電池検知システム」を2025年4月21日に発売する。
リチウムイオン電池で発熱や発火が起きる要因を整理しよう
小型電子機器やモバイルバッテリーの発火事故、ごみ収集車や集積場の火災、電気自動車からの出火など、リチウムイオン電池の普及に伴い、それに起因する発火・炎上はたびたび問題となっています。発熱、発火、爆発といった事故は用途を問わず大きな問題となりかねない事象です。今回は「リチウムイオン電池の異常発熱問題」について解説していきたいと思います。
ごみ処理施設の火災を防ぐリチウムイオン電池検知システム AIが位置を見える化
PFUは「2025NEW環境展/2025地球温暖化防止展」でIHI検査計測と共同で開発中の「LiB検知システム」を初披露した。