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SIM-SHIPのRORO船初号機「しーかーご2」の操舵室が示す航海情報の集約と省人化イマドキのフナデジ!(15)(2/4 ページ)

「船」や「港湾施設」を主役として、それらに採用されているデジタル技術にも焦点を当てて展開する本連載。第15回は、「SIM-SHIPプロジェクト」におけるRORO船カテゴリーの1番船に当たる、「SIM-SHIP3 mk1」こと「しーかーご2」の操舵室について解説する。

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航海計画から波浪解析までを支えるSIM-SHIPのコンソール構成

 航海用機器は、古野電気製を中心に構成する。航海用レーダーとして「FAR-2328」と「FAR-2238S」、ECDIS(電子海図情報表示装置)として「FMD-3300」、プランニングステーションとして「PS-100」を搭載する。さらに、波浪解析ソフトウェア「WV-100」、AIS(船舶自動識別装置)「FA-170」、サテライトコンパス「SC-70-HK」、ナブテックス受信機「NX-900」なども備える。

 2台のレーダーであるFAR-2328とFAR-2238Sは、周囲の船舶、陸岸、灯浮標、雨域などを確認するために使う。このうち1台を狭視界時の外周監視に用いる構成としていた。霧、雨、夜間、逆光などで目視確認が難しい場面では、レーダーが周囲の物標を継続して捉える。沿岸部や港湾付近を航行する内航船では、他船の動き、岸線との距離、航路筋との位置関係を確認しながら、見張りと避航判断を続ける必要がある。

「FAR-2238S」の表示画面
「FAR-2238S」の表示画面。Sバンド30kWのレーダーで、雨や霧、夜間など視界が悪い状況でも船の周囲を把握するために用いる。画面には東京湾周辺の陸岸、航路、AIS目標、レーダー反射が重ねて表示され、広域の交通状況を確認できる[クリックで拡大]
「FAR-2328」の表示画面
「FAR-2328」の表示画面。Xバンド25kWのレーダーで、Sバンドに比べて細かな物標の把握に向く。港内や混雑海域で、岸壁、ブイ、小型船、接近船の位置関係を確認し、電子海図やAIS情報と合わせて操船判断を支援する[クリックで拡大]

 ECDISのFMD-3300は、自船位置、予定航路、周囲の海域情報を電子海図上で確認するための装置だ。現代の船橋では基本的な航海支援装置の一つになっている。

「FMD-3300」の表示画面
「FMD-3300」の表示画面。東京湾周辺の電子海図上に航路、浅瀬、航路標識、AIS目標などを重ねて表示し、自船位置と周囲船舶の動きを確認できる。レーダーが周囲の物標を捉える機器であるのに対し、ECDISは海図情報と航海計画を基に安全な航路保持を支援する

 しーかーご2が搭載するプランニングステーションのPS-100は、航海計画の作成と確認を支援する装置だ。航海前には、出発地から目的地までの航路を設定し、変針点、航路幅、危険海域、制限区域、浅所、交通量の多い海域などを確認する。航海中には、計画した航路と現在位置の関係を見ながら、予定航路からのずれや周囲の状況を確認する。電子海図を見るだけでなく、航海計画そのものを扱う画面を操船席の近くに置くことで、当直者は計画と実際の航行状況を照合しやすくなる。

右舷ウイングに卓上配置した「PS-100」
右舷ウイングに卓上配置した「PS-100」。東京湾周辺の電子海図や航海情報を表示している。大画面ディスプレイを接舷に使わない右舷側ウイングをほぼ埋めるように配置して、従来の海図台のように複数人が画面を囲み、航海計画や周囲状況を共有できる[クリックで拡大]
「PS-100」
「PS-100」は、4K対応の大画面に高精細な電子海図を表示し、ルート作成/編集、ユーザーチャート作成、推奨船速算出、航路比較、航路プレイバック、AIS/TT情報表示、レーダー重畳などを行える。航海計画の作成だけでなく、航海監視やブリーフィングにも使える航海計画支援システムといえる[クリックで拡大]

 波浪解析ソフトウェアのWV-100も、航海判断を支える装備として重要だ。内航船は沿岸航路を走るイメージが強いが、しーかーご2は日本各地での航行を想定する。瀬戸内海のような多島海、太平洋沿岸、日本海側の航路、外洋に面した海域では、波浪や風が速力、船体動揺、荷役計画に影響する。波浪情報を画面上で確認できれば、当直者は針路や速力の判断、揺れへの備え、到着時刻の見通しを立てやすくなる。

「WV-100」
「WV-100」は、航海用レーダーが捉えた海面反射を解析し、波高、波向、波周期などをリアルタイムに推定する。波浪解析画面では自船周囲の波浪分布を色分けして示し、有義波高や風向/風速の表示欄も確認できる。夜間や視界不良時にも、目視だけに頼らず海面状態の把握が可能だ[クリックで拡大]

 レーダー、ECDIS、プランニングステーション、波浪解析ソフトウェアは、それぞれ役割が異なる。レーダーは周囲の物標を捉え、ECDISは自船と航路の関係を示し、プランニングステーションは航海計画を扱い、波浪解析ソフトウェアは海象情報を判断材料に加える。しーかーご2は、これらの画面を操船席の周囲に集め、少人数当直でも航海関連情報を確認しやすい構成としている。

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