連載
SIM-SHIPのRORO船初号機「しーかーご2」の操舵室が示す航海情報の集約と省人化:イマドキのフナデジ!(15)(3/4 ページ)
「船」や「港湾施設」を主役として、それらに採用されているデジタル技術にも焦点を当てて展開する本連載。第15回は、「SIM-SHIPプロジェクト」におけるRORO船カテゴリーの1番船に当たる、「SIM-SHIP3 mk1」こと「しーかーご2」の操舵室について解説する。
離着岸を支える操船/機関/通信操作系コンソール
操舵室には既に述べたコンソール以外にも、機関制御や通信関連、監視カメラ映像や機関/バラスト関連の表示、さらには接岸離岸で使用する操舵盤が並ぶ。
右舷側シートの左側に配置する操作卓。前方には主機/推進装置などの機関制御系を配置し、後方には国際VHF無線電話などの通信操作系をまとめている。操船者は着座位置の周囲で、船体制御、機関操作、船内外との連絡を一体的に行える[クリックで拡大]
入出港時の操船では、左舷ウイングの操船コンソールに立って前方や左舷側岸壁を目視しながら、主機関の回転数、舵の状態、スラスターの作動、速力、周囲の船舶、岸壁との距離を把握する。通常航海時よりも確認対象が増え、操作の頻度も高くなる。通常航海時でも接岸離岸時でもシートの周囲に表示と操作系を集める配置は、視線移動と身体の移動を抑え、少人数でも操船情報の確認と操作を続けやすくできる。
しーかーご2は、ラダーポッド付きの高角度舵を装備する。操舵室では、操船者の近くに操舵関連操作部、スラスター操作部、航海関連表示をまとめる。そのおかげで港内や狭水道、岸壁付近では、船の向き、行き脚、岸壁との距離を目視と表示情報で確認しながら、細かな操作が可能になる。
左舷側ウイングの操船コンソール。古野電気のリモートディスプレイ「RD-50」にGPS情報、速力、風速、風向、水深を表示し、周囲には主機ダイヤル、操舵位置切換、操舵機ダイヤル、スラスターダイヤル、アナログ計器類を配置している。船首カメラ映像や窓越しの視界と併用し、離着岸時の船体制御と周囲確認を行える[クリックで拡大]
当直員シートの前面上部には、主機回転計や風向風速計などを配置する。入港から着岸、荷役準備、出港に至る流れでは、主機関の応答や回転数、警報の有無を継続して把握する必要がある。操舵室内で機関状態を確認できれば、操船者は航海関連表示、外部視認、機関情報を組み合わせて判断できる。
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