パンで腸活? 日清製粉Gが高食物繊維小麦粉で酪酸生むメカニズム解明:医療技術ニュース
日清製粉グループ本社は、高食物繊維小麦粉に含まれる複数の発酵性食物繊維が、特定の腸内細菌を介して酪酸を産生する仕組みを明らかにした。多様な食物繊維の摂取が、腸内環境改善に重要であることが示唆された。
日清製粉グループ本社は2026年5月11日、医薬基盤・健康・栄養研究所との共同研究で、高食物繊維小麦粉に含まれる多様な発酵性食物繊維を利用する腸内細菌を特定し、短鎖脂肪酸である酪酸が産生されるメカニズムの一部を解明したと発表した。
研究の結果、酪酸の産生には、腸内細菌Agathobacter rectalisが重要な役割を担うことが分かった。ヒト試験では、A. rectalisの占有率が高い人ほど、高食物繊維小麦粉のパン摂取後に便中の酪酸濃度が高まる相関関係が確認された。また、パン摂取前のA. rectalis占有率が1%以上の人では、一般的な小麦粉で製造したパンを摂取した群と比べて、高食物繊維小麦粉を使用したパンを摂取した群の便中酪酸濃度が有意に高かった。
培養試験により、A. rectalisがレジスタントスターチを利用して増殖し、アラビノキシランを利用して酪酸を産生する仕組みが明らかになった。さらに、ビタミンB5の添加が、この産生を促進することも示された。
高食物繊維小麦粉は、一般的な小麦粉の約5倍の食物繊維を含みながら、加工性に優れるのが特徴だ。発酵性食物繊維は消化されずに大腸まで届き、腸内細菌のエサとなって酪酸などの有益な成分を生み出す。今回の成果は、単一ではなく多様な食物繊維を同時に摂取することの重要性を裏付けるものとなった。
同社は今後、個人の腸内環境に応じた活用方法の提案や、健康機能を有する商品開発を進めるとしている。科学的根拠に基づき、主食から摂取できる発酵性食物繊維の価値を創出し、豊かな生活づくりに貢献する方針だ。
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