自動運航支援にサイバー防御、GNSS妨害対策など、船舶技術の最前線「Sea Japan」:船も「CASE」(3/4 ページ)
2026年4月22〜24日の3日間、国際海事展「Sea Japan 2026」が東京ビッグサイトで開催された。本記事では、Sea Japan 2026の展示から、船陸通信と船内ネットワーク、GNSSジャミング対策と測位レジリエンス、さらに自動運航を支える航海機器、制御機器、検証基盤をピックアップしていく。
AIだけでは船は動かない――自動運航を支える機器と検証基盤
自動運航という言葉からは、AI(人工知能)が周囲を認識し、進路を判断して船を動かす姿を想像しがちだ。しかし、実際の船を安全に動かすには、認識、判断、表示、承認、制御、検証、保守までをつなぐ多数の機器とシステムが必要になる。Sea Japan 2026では、自動運航を単体のソフトウェアではなく、船上機器、陸上支援、シミュレーターを含む総合システムとして見せる展示が目立った。
自動運航船の社会実装に向けては、日本財団の無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」も関連展示を行っていた。ブースでは「DX・自動運航」を掲げ、実船での自動運航技術の検証や陸上支援の取り組みを紹介。Sea Japan 2026では、実船開発と検証環境の双方から自動運航を支える展示が見られた。
海上技術安全研究所が示す「検証基盤」の重要性
海上技術安全研究所(海技研)のブースでは、自動運航システムを含めた「検証基盤」たるシミュレーションシステムの重要性を紹介していた。総合シミュレーションシステムは、FTSS(Fast Time Ship Simulator)とSHS(Ship Handling Simulator)を組み合わせる構成で、FTSSは実時間より速い速度で操船シミュレーションを行い、多数の遭遇シナリオに対して自動避航の安全指標を評価できる一方、SHSは実時間と同じ速度で操船を再現し、操船者の判断や操作を含めた評価を可能にする。
ブースでは、FTSSで多数シナリオを高速に検証し、その結果からSHSで評価するシナリオを選ぶ流れを示していた。自動避航アルゴリズムの評価は、実船試験だけでは十分なケース数を確保しにくい。シミュレーターはその不足を補い、安全性を事前に確認するための不可欠な道具になる。
同じく海技研は、会場から東京都三鷹市の総合シミュレーションシステムを遠隔操船するデモも行っていた。このデモでは、洋上風力発電設備向け作業員輸送船を想定し、カメラ映像と操船支援システムにより安全に接舷するシチュエーションを再現する。自動運航や遠隔支援では、船上の情報を陸側でどう把握し、操船者にどう提示するかが大きな課題になる。こうした展示は、遠隔操船が通信だけでなく、映像、UI、支援音声、操船支援ロジックを統合して成立することを示していた。
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