自動運航支援にサイバー防御、GNSS妨害対策など、船舶技術の最前線「Sea Japan」:船も「CASE」(2/4 ページ)
2026年4月22〜24日の3日間、国際海事展「Sea Japan 2026」が東京ビッグサイトで開催された。本記事では、Sea Japan 2026の展示から、船陸通信と船内ネットワーク、GNSSジャミング対策と測位レジリエンス、さらに自動運航を支える航海機器、制御機器、検証基盤をピックアップしていく。
GNSSジャミングに備える船舶測位のレジリエンス
船舶のシステム化を支える基盤として、通信やサイバーセキュリティと並んで近年重要度を増しているのが、測位情報の信頼性だ。船舶はGNSSから得られる船位、時刻、対地針路、対地速力などの情報を前提に、電子海図、AIS、航海計器、自動操船、遠隔監視などのシステムを動かしている。GNSS信号に対するジャミングやスプーフィングは、単に「現在地が分からなくなる」だけでなく、船上の基幹システムに誤った判断材料を与えるリスクになる。
「途切れない航海」を重視する商船三井テクノトレード
商船三井テクノトレードのブースでは、この問題をサイバーセキュリティと測位レジリエンスの両面から訴求するため、Trelleborgの「SafeCaptain navigation system」や「SafePilot P3」「SafePilot CAT ROT」に加え、SAFRANのGPS/GNSS妨害電波防止アンテナを展示していた。SafeCaptainでは、GNSSとモーションセンサーを組み合わせた航行支援、手動チャートアノテーション、デュアルGNSSアンテナによる航行継続性など、精度だけでなく「途切れない航海」の重視を訴求していた。
同ブースでは、船舶に対するサイバーセキュリティコンサルティングやネットワークインテグレーションも前面に出していた。先述したIACS UR E26への対応で、船舶OT資産の可視化、船内ネットワークマッピング、船内ネットワーク防御、船舶特化型EDR(Endpoint Detection and Response)、船舶用ITサポートセンター、船舶用SOC(Security Operation Center)サービスを提供する他、INCUS(CYBEROWL)のダッシュボードでは、フリート単位のリスクスコア、インシデント、リスクのある船舶や資産を一覧する画面を示していた。
商船三井テクノトレードの展示では、TrelleborgのSafeCaptain navigation systemやSafePilot P3、SafePilot CAT ROT、そして、SAFRANのGPS/GNSS妨害電波防止アンテナを紹介。航海支援、測位レジリエンス、IACS UR E26対応を組み合わせて訴求していた[クリックで拡大]
日本無線は「正しい位置情報を表示し続けること」を訴求
日本無線は、GNSSコンパス「JLR-41」を展示し、「スプーフィングやジャミングの影響を排除し、正しい位置情報を表示し続ける」ことを訴求していた。JLR-41はGPS、GLONASS、Galileo、BeiDou、QZSS、SBASに対応するマルチGNSSセンサーを備え、高精度で高い安定性を備え、多様な画面モード、船舶の動揺情報測定への対応を特徴としている。ジャミングやスプーフィングを検出した場合は、ポップアップ表示、アイコン、ブザーで通知し、影響を受けた衛星を自動的に除外して測位を継続するという。陸上から発生状況を確認できる機能も備えるなど、単なる船内機器ではなく、遠隔監視と連携する航海機器としての位置付けを強調していた。
古野電気は「干渉下でも信頼できる位置/時刻情報」を提供
古野電気は、ジャミング/スプーフィング監視装置「FFSP-100」と、マルチ周波数/マルチGNSS受信機「FFGR-1/FFGR-5」を展示していた。ジャミング出力が上がると通常のGNSS航法装置では測位を喪失する一方、対策対応機器では測位を維持できることを訴求するなど、ジャミングとスプーフィングの違い(ジャミングはGNSS信号に雑音を混ぜて受信を妨げる。スプーフィングは偽の信号で受信機をだまし、誤った位置や時刻情報を出力させる攻撃)を示した上で、干渉下でも信頼できる位置/時刻情報を提供することを訴求していた。
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