「成長する世界」と「停滞する日本」、最新データで1人当たりGDPは38位まで後退:小川製作所のスキマ時間にながめる経済データ(47)(1/3 ページ)
ビジネスを進める上で、日本経済の立ち位置を知ることはとても大切です。本連載では「スキマ時間に読める経済データ」をテーマに、役立つ情報を皆さんと共有していきます。国際通貨基金の最新データから、各国の1人当たりGDPについてご紹介します。
前回は、国際通貨基金(IMF:International Monetary Fund)の最新データから、2031年の各国のGDP(国内総生産)予測値について紹介しました。日本は長くバブル崩壊の影響を引きずっていましたが、最近は物価も上がりGDPも拡大傾向にあります。しかし、人口減少が進んでいることから、徐々に世界の国々に抜かされてきている傾向が見られます。
さて、今回は“総額”となるGDPではなく“われわれの豊かさ”を見る「1人当たりGDP」について、国際通貨基金(IMF:International Monetary Fund)の最新データを紹介します。
⇒連載「小川製作所のスキマ時間にながめる経済データ」のバックナンバーはこちら
1人当たりGDPの変化
日本は近年物価が上昇し、GDPも拡大傾向が強まってきました。失われた30年と呼ばれる経済停滞から脱しつつあるように見えますが、一方で少子高齢化に伴う人口減少が深刻化しています。GDPは人口と密接な関係があるため、今後人口減少が深刻化していく日本としてはなかなかGDPが増えにくい局面になっていくと予測されています。前回紹介したように、2030年にはインドや英国に抜かれて世界6位のGDPになると予測されています。
一方で、その国の人々の生活の豊かさを表す指標としては、総額であるGDPではなく、それを人口で割った1人当たりGDPで評価すべきとされます。日本人の豊かさが世界の中でどの程度の立ち位置なのか、今回は最新の1人当たりGDPの国際比較を通じて確認していきましょう。
図1が日本の1人当たりGDPの推移です。
日本の1人当たりGDPは、金額で見た名目値(青)で見ると1997年の440万円をピークにして長らく停滞傾向が続いてきました。しかし、近年では上昇傾向が続いており、2025年は538万円と当時のピークを大きく上回っています。
同時に物価(GDPデフレータ)も上昇しています。名目値を物価で割った、数量的な数値となる実質値(赤)で見ると、近年の上昇傾向は緩やかとなります。
ただ、物価上昇を伴いながらも金額的にも数量的にも、1人当たりの経済水準が向上する循環に入っていることが確認できます。長年デフレに苦しんできた日本ですが、近年ではデフレ状態を明確に脱した状況となっています。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
