検索
連載

2025年度通期でもスズキがホンダを抜いて2位に、明暗分かれた日系自動車生産自動車メーカー生産動向(4/5 ページ)

2025年度(2025年4月〜2026年3月)の日系自動車メーカー8社の世界生産台数は、米トランプ政権の追加関税、急速なEV需要の減速、足元の中東情勢の緊迫化など外部環境に振り回される1年となった。

Share
Tweet
LINE
Hatena

日産自動車

 日産の2025年度の世界生産台数は、前年度比3.7%減の290万2992台と2年連続で前年度実績を下回った。特に落ち込んだのが国内生産で、同13.1%減の55万7576台と2年連続のマイナスだった。海外向けの「パトロール/アルマーダ」やEVの新型「リーフ」は好調だったが、国内市場向けの「ノート」「セレナ」「エクストレイル」など主力車種が2桁%減となるなどそろって台数を落とした。さらに米国の追加関税対応で「エクストレイル/ローグ」の現地生産を増やしたことや、米国のEV市場縮小で「アリア」が低迷したため、輸出も同12.9%減の33万4706台と2年連続で減少した。

 海外生産は、前年度比1.1%減の234万5416台と8年連続の前年割れだった。主要市場の北米では、米国が現地生産を強化したローグが増えたことで同0.9%増の50万4812台と2年ぶりのプラス。一方、メキシコは工場再編に伴う減産や「ヴァーサ」を新型に切り替えた影響などにより、同9.8%減の61万1695台と3年ぶりに減少した。中国は、EV「N7」やPHEV(プラグインハイブリッド車)「N6」など新型車の投入により同7.9%増の66万1761台と5年ぶりにプラスへ転じた。英国も第3世代「eパワー」を搭載した「キャシュカイ」の投入によるプラス効果で同1.0%増の27万9029台と2年ぶりに増加した。

 3月単月の世界生産は前年同月比5.4%増の25万7432台と3カ月ぶりに前年実績を上回った。要因は海外生産で、同7.0%増の20万4159台と3カ月ぶりに増加した。米国では、関税対応で生産を増やしているローグの他、「パスファインダー」や「フロンティア」なども増加し、同13.1%増の5万7743台と5カ月連続のプラス。一方でメキシコはヴァーサの新型への切り替えや「キックス」の減少により、同16.6%減の4万2022台と3カ月連続で減少した。好調なN7やN6に加えて新型SUV「NX8」を投入した中国は、同22.3%増の5万5431台と大幅に伸長し、3カ月ぶりに増加した。英国もキャシュカイの増加で同13.3%増の2万8163台と2カ月ぶりのプラスだった。

 一方、国内は低迷が続く。3月の国内生産は前年同月比0.5%減の5万3273台と25カ月連続のマイナス。4月の国内販売を見ても、環境性能割の廃止に伴う登録先送りで各社が大幅な伸びを見せる中、主力モデルのノートやセレナは2桁%減だった。また、北米向けエクストレイル/ローグに加えて、中東情勢を受けて販売好調だった中東向けパトロールを減産したことが響き、輸出も同12.4%減の2万7805台と3カ月ぶりのマイナス。なお、2026年度の中東情勢の影響について、5月13日の決算発表で同社 社長のイヴァン・エスピノーサ氏は「中東は上期で約1万9000台を想定している。代替ルートを用いてどのように車両を届けるかを考えている」と説明した。

マツダ

 マツダの2025年度の世界生産は、前年度比3.5%減の116万4718台と2年連続で前年割れとなった。中国は大きく回復したものの、日本と米国、欧州で販売が落ち込んだことで、メインの国内生産が伸び悩んだ他、米国の追加関税対策としてメキシコで生産する米国向け車両を減産したことが響いた。このうち国内生産は、同1.8%減の73万5119台と2年連続のマイナス。主力車種の「CX-5」は新型の生産を開始したこともあり、同9.8%増の31万1806台、「マツダ3」も同6.3%増の11万4632台、「CX-30」に至っては同23.8%増の10万5636台と増加したが、「CX-70」「CX-80」「CX-90」などの落ち込みが響いた。

 国内以上に落ち込みが目立ったのが、好調が続いていた海外生産で、前年度比6.3%減の42万9599台と4年ぶりに減少へ転じた。「CX-50」の販売が好調な米国工場は同12.3%増の12万7497台と増加したものの、メキシコで米国関税対応により米国向けのCX-30やマツダ3を減産したことで同27.0%減の15万6417台と低迷。その結果、北米合計は同13.4%減の28万3914台と4年ぶりに前年割れとなった。タイも「CX-3」の減少で同13.8%減の4万9541台だった。一方、中国は新型EVの「EZ-6/マツダ6e」「EZ-60」が純増となり、同30.4%増の9万5385台と大きく伸長し、2年ぶりに前年度実績を上回った。

 とはいえ、足元では回復が鮮明だ。3月単月の世界生産は、前年同月比14.4%増の11万487台と2カ月連続のプラス。中でも国内生産は、同27.7%増の7万2169台と2カ月連続の2桁%増だった。けん引役は生産が本格化した新型CX-5で、同38.7%増の2万9989台を記録。さらにマツダ3が同29.3%増の1万940台、CX-30は同99.1%増の1万786台と大幅に増加した。

 一方、海外生産は前年同月比4.4%減の3万8318台と3カ月連続の前年割れ。中国はEZ-6/マツダ6eやEZ-60の純増などで同47.9%増の8763台と5カ月連続のプラスだった他、米国も同21.7%増の1万3007台と4カ月連続で増加した。ただし、タイは日本向けCX-3を生産終了したことで同53.7%減の2084台、メキシコも関税対応で米国向けCX-30やマツダ3を減産し、同24.1%減の1万4395台と低迷。このため北米トータルでも同7.6%減の2万7402台と減少した。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る