NTTとデンソーが共同研究を実施 車両操作の乱れと連動する瞳孔指標の抽出に成功:安全システム
NTTは東京都内で開催した「NTT コミュニケーション科学基礎研究所 オープンハウス2026」内覧会で、車両操作の乱れと連動する瞳孔指標の抽出に成功したと発表した。
NTTは2026年5月12日、東京都内で開催した「NTT コミュニケーション科学基礎研究所 オープンハウス2026」内覧会で、車両操作の乱れと連動する瞳孔指標の抽出に成功したと発表した。
同取り組みは、車両の運転や動画視聴といった自然な行動中の目や脳の情報を用いて、注意の向き/対象や動画の知覚イメージを推定する研究において実施した。NTTはこれまでに、瞳孔の大きさなどの目から得られる生体信号を通じて、脳の働きを読み解こうとする「アイメトリクス研究」を進めてきた。
これまでの実験室での研究内容を踏まえ、2025年度から実環境での検証へ移行し、デンソー先端技術研究所と共同で、瞳孔指標と運転操作の連動パターンを調べた。瞳孔の動きを記録するカメラ付きのグラスと、さまざまな場所にセンサーが組み込まれた車両を活用し、自然な運転中の車両操作情報と瞳孔径を記録した。加えて、変動する環境光の影響を適切に予測した上で連動パターンを抽出した。
検証の結果、瞳孔径の予測残差が大きい場合に車両操作の変動が大きくなり、視線移動が多くなることが判明した。「運転操作が乱れがちな状況では、外界の明るさと瞳の大きさの関わり方が不安定になることが分かった。検証ではハンドルの角度といった大量の車両データと瞳のデータの同期が大変であった」(NTTの担当者)。
ドライバーの漫然状態を検知して安全を守るために、さまざまなセンシングシステムの導入が広がっている。ただ、既存技術では居眠りなどの明確な危険状態の検知が中心であり、今後は危険状態に至るまでの微細な注意変化を捉える“危険の未然防止”が重要になる。NTTはこの危険の未然防止にアイメトリクス研究を生かそうとしている。同社とデンソーは将来的に、研究結果をドライバーのモニタリングシステムに活用し、ドライバーの漫然状態を防ぎ、安全性を向上させることを目指していく。
会場ではドライブシミュレーターを活用し、運転時の瞳孔がどのように変化しているのかを体験できるデモンストレーションも披露した。なお、今回の発表内容については、NTT西日本 QUINTBRIDGE・PRISM内(大阪府大阪市都島区)で開催予定のイベント「NTT コミュニケーション科学基礎研究所 オープンハウス2026」(会期:2026年5月20〜22日)で展示を予定している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
物体の柔らかさや粘り気が視覚で分かる!? NTTが“視覚で質感を伝える”技術を開発
NTTは拡張現実環境において、手の動きに応じて変形する仮想対象を用い、柔らかさや粘り気といった質感を非接触で伝える錯覚手法を考察したと発表した。
スバルが目指す「SUBARUデジタルカー」とは インフィニオンとの協業内容を説明
SUBARU(スバル)とInfineon Technologies(インフィニオン)の日本法人であるインフィニオン テクノロジーズ ジャパンは、2026年3月9日に発表した次世代スバル車向けの制御統合ECUに搭載するMCUの設計に関する協業の取り組み内容について説明した。
油圧ショベルに3Dマシンガイダンス機能を付与するセンサーキットが誕生
日本精機は、後付けで油圧ショベルに3Dマシンガイダンス機能を付与するセンサーキット「Holfee(ホルフィー) 3D」を2026年2月21日から受注開始する。
ペダル踏み間違い時加速抑制装置の保安基準を強化、検知対象に歩行者を追加
国土交通省は、高齢者などのペダル踏み間違いによる事故を防ぐため、ペダル踏み間違い時加速抑制装置の国連基準の制定をリードするとともに、国内の保安基準を強化する。
ドライバーモニタリングシステムにより飲酒状態を高精度に検知する技術を開発
三菱電機は、運転時のドライバーの居眠りやわき見を感知する「ドライバーモニタリングシステム」の映像から得た脈拍数や車両制御情報を融合させることで、運転中のドライバーの飲酒状態を推測する技術を開発した。
悪天候時も良好な視界を保つAI搭載カメラシステムを開発
AUMOVIO(オモビオ)は、暗闇や霧などの悪天候でも良好な視界を確保可能なAI搭載カメラシステムを2026年1月に米ラスベガスで開催されるコンシューマー・エレクトロニクス・ショーで発表する。



