3Dモデル活用で部門間調整を効率化し、開発期間を短縮:製造ITニュース
伊藤忠テクノソリューションズは、製造業向けクラウドサービス「3DWorks」の提供を開始した。設計から試作までの情報を3Dモデルで統合管理することで、部門間調整を効率化し、開発期間の短縮、コスト低減などを支援する。
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は2026年4月23日、富士フイルムビジネスイノベーションジャパンが提供する製造業向けクラウドサービス「3DWorks」の提供を開始したと発表した。同サービスは、設計から量産前の試作工程における開発および生産部門間の仕様調整を3Dモデル上で完結させる。
製造現場では設計の3D化が進む一方で、試作工程では依然として2Dの紙図面が主流であり、認識の齟齬による手戻りが課題となっていた。3DWorksは、寸法や公差などの製造情報(PMI)を含む3Dデータをマスターとして統合管理する。3Dモデルから2D図面や検査表を自動生成できるほか、測定結果を3Dモデルに重ねて可視化することで、修正箇所の迅速な合意形成を可能にする。
CTCは導入効果を最大化するため、約4カ月間の検証期間を設け、操作教育や基本機能の活用を現場で支援する伴走型の体制を敷く。その後、約1カ月で本番環境を構築し、既存のPLM(製品ライフサイクル管理)やCADツールとのスムーズな連携を図る。修正履歴の自動蓄積機能により、熟練技術者の暗黙知に依存していたノウハウの継承や、不具合の再発防止にも寄与する。
なお、富士フイルムビジネスイノベーションの社内実証では、金型トライ回数が約38%削減され、開発期間も約4カ月短縮された。今後は自動車や家電、産業機械などの幅広い製造業を対象に展開し、製品ライフサイクル全体での価値創出を支援していく。
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