大容量X線画像データを8600分の1に即時圧縮するFPGAデータ処理基板を共同開発:組み込み開発ニュース
東京エレクトロン デバイスは、理化学研究所と共同で、次世代X線画像検出器「CITIUS」向けのFPGAデータ処理基板を開発した。実験データを約8600分の1に即時圧縮し、測定結果をその場で確認できる。
東京エレクトロン デバイス(TED)は2026年4月8日、理化学研究所(理研)と共同で、大型放射光施設SPring-8に導入される次世代X線画像検出器「CITIUS(シティウス)」向けに、FPGAベースのデータ処理基板を開発したと発表した。
開発した基板は「Proximity board(PRB)」と「Data Framing Board(DFB)」で、高輝度放射光実験で発生する広帯域かつ大容量のX線画像データを優れた処理性能で連続的に取得、保存、可視化、解析する。
また、FPGAを用いたリアルタイム処理により、画素単位の背景補正やしきい値によるノイズ除去、連続画像の統合を実施する。これにより、科学的に意味のある信号を損なうことなくデータ量を削減し、後段での可逆圧縮や高速解析に最適化された形式でデータを出力する。
システム構成には、低遅延、大容量、小型を両立したサーバアーキテクチャを採用した。これにより、ビームライン周辺への高密度な実装が可能となり、設置スペースと消費電力の抑制に寄与する。
長期運用やカスタマイズにも対応する。同社が蓄積してきたFPGAファームウェア設計ノウハウを基に、将来必要に応じて機能拡張できるほか、モジュラー構造により、ビームラインごとの要件に合わせてカスタマイズできる。
SPring-8はナノスケール構造解析などに活用される大型放射光施設だ。今後、次世代施設であるSPring-8-IIへの移行に伴う高輝度化で、データ量がさらに増大することから、データの即時圧縮が課題となっていた。
理研の報告によれば、1週間当たり19PBに達する膨大なデータに対し、同基板を含むシステムによって8000倍以上の即時圧縮が可能になったという。TEDは2016年から理研と共同開発を続けており、今後も高度なデータ処理技術を通じて材料科学やライフサイエンスなどの研究開発を支援していく。
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