工場に“自動販売機”で間接材を提供するサービス、1年で300工場に導入し機種拡充:製造マネジメント インタビュー(2/2 ページ)
ミスミグループ本社は2025年4月に提供を開始した間接材トータルコストダウンサービス「MISUMI floow(フロー)」の新モデル拡充を発表した。サービス開始後の手応えと新モデル拡充の狙いについて、同事業を推進するミスミ Factory-MRO企業体 企業体執行役員の大内郁浩氏に話を聞いた。
量産ライン内にも設置できるドロワータイプの自販機を追加
これらの好反応とさらなる要望を受けて新たに開発したのが、MISUMI floowの自動販売機の新モデルである「ドロワー(引き出し)タイプ」だ。
ドロワー(引き出し)タイプは、限られたスペースで小型の間接材を効率的に管理したいというニーズに応えるもので、高さ1100mm、幅680mm、奥行500mmというコンパクト化をし、従来比75%のスペース削減を実現した。
最大で70間口を設置可能で、切削チップやエンドミル、メンテナンス部品など、サイズが小さく、種類の多い部品の管理に適している。これらの小型部品は、引き出し内の間口で重量センサーによって管理され、それぞれが取り出した数量を自動で把握し、在庫状況を可視化する。現場の担当者が必要なタイミングで取り出していくだけで、数量の管理と自動発注手続きを行える。
大内氏は「MISUMI floowのサービス内容が受け入れられるとともに、製造設備で直接使用するような間接材やメンテナンス部品などの管理も行いたいという要望が出てきた。こうした部品は製造ラインの近くで使用するため、よりコンパクトな自動販売機が求められるため、ドロワータイプを開発した」と説明する。
製造ラインの近くに設置し、それをミスミが管理するとなると、情報の機密性などの面で運用が難しくなることも考えられるが「従来の棚タイプのMISUMI floow自動販売機の場合でも、設置場所などを含め、大手企業では新たな運用ルールをともに考えて作る必要があった。それを考えると、ドロワータイプを生産ラインの近くに設置することになっても、行うべきことはあまり変わらない」と大内氏は語る。
データを活用したサービスなども拡充へ
今後は、さらにユーザーの声に合わせた自動販売機のバリエーションや、機能の拡充などを進めていく方針だ。「現状でもMISUMI floowの画面をサイネージとして活用したいであったり、各社の改善活動の中でさまざまな意見をいただいている。これらを踏まえつつ現場の最適解を作り出していきたい」(大内氏)。
さらに、これらの管理で得られたデータを生かし、さらに運用の効率化を提案するサービスなど、新たな展開についても検討を進めている。「MISUMI floowは、ミスミグループで提案する製造現場における非効率な状態をデジタル技術で効率化していくデジタルモデルシフトの一環として提案している。『meviy』や『D-JIT』などを組み合わせながらサービス範囲を拡大するとともに、これらで得られたデータをさらに活用したサービスなども展開していく」と大内氏は語っている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
工場で“置き薬”方式で間接材提供、年間1650時間削減するミスミの新サービス
ミスミグループ本社は、間接材トータルコストダウンサービス「MISUMI floow」の提供を開始した。“置き薬”方式の自動販売機なども活用しながら、従来手つかずだった間接材の一元的な管理と効率化にメスを入れる。
見積もり時間をゼロに 部品の納期と金額を即時算定するミスミの新システム
ミスミグループ本社は2024年4月12日、部品調達における納期調整や見積もりの時間を短縮するシステム「D-JIT」を発表した。グローバルでのサプライヤー情報をネットワーク化することで、仕組みを構築した。
時間を創出し価値を最大化するミスミのデジタルマニュファクチャリング(前編)
ミスミグループ本社は「meviy Factory Day」を開き、AI(人工知能)を活用した機械部品調達向けプラットフォーム「meviy」を支える「meviyデジタルマニュファクチュアリングシステム」について紹介した。本稿では前編としてミスミによる調達領域への革新について紹介する。
「あの図面どこだっけ……」の手間を解決、ミスミが図面データ検索AIサービス
ミスミは2024年8月より機械部品の図面データ検索AI「meviy Finder」を提供する。
少量多品種製造を高効率に、“自販機”も使うOKIネクステックの自動化への道
製品ニーズの多様化が進む中、特に国内工場には少量多品種生産の体制で、いかに効率化を図るかという点が大きなテーマになってきている。こうした中で、さまざまな工夫で自動化領域を拡大し、生産性向上を図っているのが、OKIネクステックの小諸事業所だ。同社の生産性向上への取り組みを紹介する。
調達購買部門のDXに9割強が取り組むも、そのうち4割は「構想検討中」
A1Aは「製造業調達・購買部門のDXへの取り組みに関する実態調査」の結果を発表した。約94%が調達購買DXに取り組みつつも、そのうち約38%が「構想検討中」で、具体的な取り組みはまだこれからと回答した。



