リョーサン菱洋が産業用ロボットをIOWN APNで遠隔制御、現場の直感操作も可能に:産業用ロボット
リョーサン菱洋は、神奈川県横須賀市に設置された産業用ロボットに対して、東京都武蔵野市に設置したサーバからIOWN APN上で遠隔制御するシステムの実証実験に成功した。
リョーサン菱洋は2026年4月2日、NTTと共同で、神奈川県横須賀市に設置された産業用ロボットに対して、東京都武蔵野市に設置したサーバからIOWN APN上で遠隔制御するシステムの実証実験に成功したと発表した。通常約6〜7カ月要していた構築工数を、最短で約4.5カ月まで短縮(約30%削減)できる可能性があるという。特にロボット設置後の工程では、約70日を要していた作業を約35日(50%)まで削減できることを確認したとしている。
今回の実証実験では、Franka RoboticsおよびDobotの産業用ロボットを使用した。NTTの「産業用ネットワークの機能ソフト化技術」を活用し、パレタイズやねじ締めなど各作業を“作業モデル群”としてサーバ上にソフトウェア実装してテンプレート登録した。産業用ネットワークの機能ソフト化技術とは、ロボットの制御を行う制御機能および制御機能とロボット間のプロトコルドライバを、独立したレイヤーとして定義してソフトウェア実装する技術だ。
さらに、ロボットメーカーによって異なるプロトコルドライバを、“プロトコルドライバ群”としてテンプレート登録したROSを用いたROS 2ベースの共通フレームワークを構築した。これによって、ロボットメーカーごとの専用プログラムを作成する必要がなくなった。
実証実験では、東京都武蔵野市に設置されたサーバ上で、適切な作業モデルとプロトコルドライバを共通フレームワークから選択すると、神奈川県横須賀市に設置された産業用ロボットが動作し、遠隔制御が成功した。
成果として、作業モデルやプロトコルドライバをサーバ上に事前登録しておけば、作業動作の変更や異なるメーカーのロボットへ切り替える際でも、現地での動作定義(軌道/速度/ハンドリング条件など)やデプロイを行う必要がなくなることを確認した。現場の作業者も、作業モデル(パレタイズ、ねじ締めなど)を選択するだけで操作/運用開始でき、専門知識がなくても直感的に操作できる。
期待される効果として、エンジニアが現場に常駐せずオンライン上で短期間での別作業の適用や、メーカーの異なるロボットの切り替えが可能となる。また、制御機構をエッジ拠点に集約し複数の工場をネットワークでつなぐことで、一括でシステムの構築・変更が可能になるとともに、機器費用の削減効果も期待できる。
さらに、工場とエッジデータセンターなど異なる拠点間で、ロボット導入環境と同一のシミュレーション環境をデジタルツインプラットフォーム上で共有し、仮想環境で試したモデルを現実環境に反映させることで、複数拠点間でのシミュレーションの確認や検証ができるとしている。
リョーサン菱洋はリョーサンと菱洋エレクトロが合併して2026年4月1日に誕生した。
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