日立製作所が新設物流拠点に次世代マテハン納入、生産性40%向上へ:工場ニュース
日立製作所は、コクヨが宮城県仙台市に新設した物流拠点「東北IDC」に、統合型マテハン制御システムを中核とする次世代マテハンシステムを納入する。拠点全体の生産性が従来比で約40%向上する見込みだ。
日立製作所は2026年3月17日、コクヨが宮城県仙台市に新設した物流拠点「東北IDC」に、統合型マテハン(マテリアルハンドリング)制御システム「ユニバーサルWCS」を中核とする次世代マテハンシステムを納入すると発表した。
今回納入するシステムは、ユニバーサルWCSと、搬送計画最適化エンジン「LogiRiSM(ロジリズム)」の一部機能だ。通常、マテハン設備はメーカーごとに独立して制御されるが、同システムはそれらの上位として統合的な制御を実行。設備の状態や作業状況に応じて、オーダーの投入順序や搬送ルートを最適化し、入庫から出荷仕分けまでの倉庫内作業全体を効率化する。
設備面では、国内初導入となるHAI ROBOTICSのGTP(Goods to Person)システム「HaiPick Climb System」を採用した。同システムは昇降機能を備えているため、倉庫の高い天井空間を活用した高層ラックへの保管が可能になる。床面積が限られた倉庫において、最大27万SKUに及ぶコクヨの保管容量目標を達成できる。
また、210台のロボット「HaiClimber」により、作業者が動かずにピッキングできる定点作業を可能にする。最大3200箱/時の搬送能力を発揮し、移動時間を大幅に短縮する。
運用においては、折りたたみコンテナの搬送にAGV(無人搬送車)を使用し、ピッキングにはDPS(Digital Picking System)を組み合わせたハイブリッド式を導入した。工程間を固定式コンベヤーで連携する従来の方法では、動線が固定されてスペースを効率的に使えず、構築の際も多くのコストがかかっていた。これに対し、自由度の高いAGVを採用したことで、レイアウトの柔軟性が高まった。
次世代マテハンシステムの導入により、拠点全体の生産性は約40%向上すると見込まれる。コクヨの東北IDCは2026年2月に完成しており、同年10月末に稼働を開始する。4階建てのRCS構造で延床面積は約1万5000坪(約4万9600m2)だ。
日立製作所は、先進AI(人工知能)とドメインナレッジを融合したソリューション群「HMAX Industry」の提供を通じ、物流現場の高度な自動化と自律化を推進し、サプライチェーンの最適化に貢献する。
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