神戸製鋼所など、現実空間で仮想溶接を行う次世代トレーニングソフトを提供開始:製造ITニュース
神戸製鋼所、コベルコ溶接テクノ、イマクリエイトは、次世代溶接トレーニングソフト「WeldNext」の共同事業を開始した。MR技術やネットワーク機能を活用し、熟練技能者の不足に対応する実践的な教育環境を展開する。
神戸製鋼所(神戸製鋼)は2026年3月11日、子会社のコベルコ溶接テクノ、イマクリエイトとの共同事業として、溶接技能向上を目的とした次世代溶接トレーニングソフトウェア「WeldNext(ウェルドネクスト)」の提供を開始した。MR(複合現実)技術やネットワーク機能を活用し、熟練技能者の高齢化や人材不足に直面する製造現場へ、実践的な技能教育環境を提案する。
WeldNextは、神戸製鋼グループが培ってきた溶接人材育成のノウハウと、イマクリエイトのVR(仮想現実)教育技術を融合させたプラットフォームだ。単なるトレーニングソフトの枠を超え、現実の作業環境や治具を視認しながら仮想溶接を行うMRモードを搭載。これにより、従来のVRでは困難だった空間認識や姿勢の再現性を大幅に向上させている。
ネットワーク機能を介した遠隔指導に対応している点も特徴だ。離れた場所にいる指導者が同じ仮想空間に入り、リアルタイムで溶接状況を確認し、指導できる。この機能により、海外工場との連携など、拠点を超えた効率的な教育体制の構築を支援する。
また、技能の属人化を防ぐため、熟練技能者の溶接手順をVR空間内で実演、記録し、教材として保存できる機能を備える。学習者はいつでもお手本となる作業を繰り返し確認できる。さらに、現場からの要望が多かったパイプ溶接のトレーニングにも対応し、高度な姿勢制御やトーチ角度の習得をサポートする。
同製品は、導入後も継続的な機能追加やアップデートが可能なプラットフォームとして展開される。神戸製鋼グループは、2024〜2026年度の経営計画で掲げるDX(デジタルトランスフォーメーション)および顧客対応変革の一環として本事業を推進し、ものづくりを支える人材育成を通じて溶接業界の課題解決に貢献するとしている。
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