日立のフィジカルAI統合モデル「IWIM」の実力は? 試作ロボット2種を公開:人工知能ニュース(2/2 ページ)
日立製作所は「フィジカルAI体験スタジオ」の先行公開に併せて、現場で自ら学びながら動作を最適化し複雑作業を自動化するフィジカルAI技術を発表するとともに、同技術を実装した試作ロボット2種を公開した。
人の反射応答を超える100Hzの高速推論が可能
「高速推論AIモデル」は、人が体性感覚を基に反射応答で無意識的に行っている動作の補正が可能にする技術だ。これまで、ロボットに組み込むAIモデルは、人が思考に基づいて行う動作と同様に動作速度は10Hz(1秒間に10回)程度だった。これに対して人の反射応答の動作速度は数十Hz以上と高速である。そして、柔軟物であるケーブルを扱うような繊細な力加減の制御が必要な複雑作業は、反射応答による高速な動作補正がなければ実現できない。高速推論AIモデルは、AIモデルのパラメーター数を数百万程度に抑えるなどして100Hzの高速推論を可能にした。また、特定の作業に特化したAIモデルであるため、省データ/省電力で学習や推論を行える利点もある。
「全身協調動作学習技術」は、ロボットの腕や手の動きだけでなく、上半身/下半身を含む全身の協調動作を学習する技術である。ロボットの身体は人より自由度が少なく無理な姿勢になりやすいため、最適な作業を行うためには移動や姿勢の変更などが必要になる。そこで、ロボットの運動学/動力学特性を基に、最適位置への移動を含む統合動作を学習するようにした。
部品ピッキング作業を自動化する試作ロボットは、ロボットの右手を伸ばさないと届かない位置に部品がある場合、作業しやすい位置への自律的な移動が可能になっている。
なお、試作ロボットは日立の研究所組織で開発したもので、各腕で7自由度を持つ双腕ロボット(ハンドを除く)に前後と左右に移動する機構を組み合わせている。センサーとしては頭部と両腕の先端部に装着したカメラがある他、両腕の7自由度に対応する動作角度を検知するとともに、モーターの電流値を基に力触覚データを導き出している。AIモデルは、一般的なデスクトップPCに組み込んだGPUで動作させている。
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